Spotifyで聴けるプレイリストから、アラフォー世代へのおすすめをピックアップ。第2弾は、『NEXT WAVE JAZZ』から刺激的なジャズをお届け! 聴いてみたいけれど、よくわからなくて。ジャズは、そう言われがちなジャンル。知的なイメージはあるが、聴くのに知識はいらない。でも、入口を間違えると、遠い存在になる可能性は高い。 『NEXT WAVE JAZZ』は、若手アーティストを集めたプレイリストで、ジャズの定番であるスタンダードナンバーはなく、自ら書いたオリジナル楽曲が中心。みずみずしくも尖った感性にあふれ、ラップもあるし、ソウルフルな歌もある。 ジャンルの枠を超えた、生楽器とエレクトリックのハイブリッドが新鮮だけれど、やはりジャズの魅力は、即興演奏のドキドキ感。即興とは楽器による会話だと彼らは言う。何か投げかけられたら、カッコよく返す。互いに「やるな」と思わせる応酬のために、ミュージシャンはテクニックを磨く。 それを知って聴くと、なんとなくわかった気になるし、スリルをより楽しめる。インストとボーカルで編成されていて、随時新曲が追加されていく。プレイリストはこちら:『NEXT WAVE JAZZ』 01. WONK甘いボーカルで歌う歌詞は英語だけれど、自らを実験的ソウルバンドと語るWONKは、日本人4人組。ジャンルの境界線がないエレクトリックサウンドは、斬新でありつつほどよい知性が薫り、6月発売の新作『EYES』から選曲された『HEROISM』をはじめ、すべてジャズのエッセンスがおしゃれ。高学歴メンバーのキャリアも興味深く、今注目の都会派バンドだ。WONK▶『HEROISM』を聴く▶『Rollin'』を聴く 02. ジェイコブ・コリアーUK出身のマルチプレイヤーは、全楽器をひとりで演奏し、あらゆるジャンルをモチーフに音をデザインしているような音楽は、彼の遊び心と演奏する歓びにあふれている。いつ聴いても感性の塊だと思う。現在選曲されている3曲は、異なるシンガーをゲストに迎えていて、声質の違いがまたデザインの色彩になっている。ジェイコブ・コリアー▶『オール・アイ・ニード』を聴く▶『イン・マイ・ボーンズ』を聴く▶『タイム・アローン・ウィズ・ユー』を聴く 03. グレゴリー・ポータージャズ界で最も売れているシンガー。彼のソウルフルなボーカルは、優しさにあふれ、聴く人の心を温める。8月発売の新作『オール・ライズ』から選ばれた4曲は、彼のオリジナル楽曲。力強く熱唱する曲もいいけれど、『イフ・ラヴ・イズ・オーヴァーレイテッド』のようなストリングスと共演する曲がエレガントで、歌の物語に酔わせてくれる。グレゴリー・ポーター▶『イフ・ラブ・イズ・オーヴァーレイテッド』を聴く▶『ミスター・ホランド』を聴く▶『フェニックス』を聴く▶『リヴァイヴァル』を聴く 04. ジョーイ・アレキサンダー淡い色彩を放つ繊細なピアノの彼は、バリ島に生まれ、巨匠に見出されたことで11歳の時にデビュー。現在ニューヨークを拠点に活動する。16歳の今年発表したメジャーデビュー作『ワルナ』は、自作曲をベース、ドラムと組むピアノトリオでレコーディング。高い演奏力を誇り、ジャズの本場で修業しつつも手練れにならず、ピュアな演奏がいい。ジョーイ・アレキサンダー▶『ダウンタイム』を聴く 05. キャンディス・スプリングススタイリッシュで、なおかつチャーミングな女性で、温かみと可憐さをあわせもつボーカルは、かつてプリンスにも称賛された。パフォーマンスは、いつもピアノの弾き語り。そんな彼女が3月に発表した新作は、自分の音楽性を育み、影響を与えた女性アーティストの曲を取り上げた意欲作。ここではローリン・ヒルの超クールなカバーが聴ける。キャンディス・スプリングス▶『エックス-ファクター』を聴く 音楽ライター 服部のり子はっとり・のりこ●洋楽を中心に雑誌や新聞で執筆。ラジオ番組やJAL機内放送の企画・選曲も担当している。 ▼あわせて読みたい記事▼