40代お悩み 人生
-
「キツい上司のもとに配属されがち」という相談者さんに、みうらじゅんさんと辛酸なめ子さんが独自の視点で回答!【今月のお悩み】いつも「この人なら何を言ってもOK」 と思われてしまう…新卒の時も、20年たって派遣社員となった今も、性格や言い方のキツい上司のもとに配属されます。その理由は「あなたなら、うまくやってくれそうだから」。確かに私は、「穏やかそう、優しそう、怒らなそう」とよく言われますが……。「この人なら何を言ってもOK」と思われないためには、どうすればいいでしょう?(兵庫県・亜紀・45歳・派遣社員 趣味/宝塚観劇)☆辛酸なめ子さんの回答観葉植物で負のパワーから身を守るのも一案ですが、植物の持つ慈愛のパワーにならって、上司に何か言われたら慈愛の表情で返すのもおすすめです。慈しみや憐れみを漂わせたまなざしで、相手に羞恥心を抱かせるという方向で……。☆みうらじゅんさんの回答「いい人」をやめるのは簡単ですが、損得を考えてからでも遅くないのでは? 亜紀さんご本人もすでにおわかりかもしれませんが、このお悩みに対する答えは、ひとつなんじゃないでしょうか。まわりの人たちが「〜そう」と言って亜紀さんにかけている期待を裏切ればいいと思うんです。穏やかそうに見えない服装をし、優しくない言動をし、すぐに怒る、というふうにすれば周囲も、この人を問題上司の下につけたら、職場が大変なことになる! と考えるようになるでしょう。 ただ、その前に……「穏やか、優しい、すぐに怒らない」というのは、人としてとても喜ばしいことなので、それをこんなことのために変えてしまうのは大変、惜しいとも思いますね。そういう人は人間ができていらっしゃると思いますし、特に会社という集団の中では貴重な人材なんじゃないでしょうか。 なので、自分がそういうふうに評価されていることで、得していることはないのかどうか、今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。 人って、自分が思う自分と、まわりの人が思う自分との間には当然、多少なりともギャップがあることでしょう。でも、周囲が思う自分でいることで、特に損を被っていなければ、「本当の自分とはちょっと違うけど、ま、いいか」となりがちです。そうこうするうち、自分でも「いい人」でいるクセがついて、やがて、それが「本当の自分」になるかもしれません。亜紀さんの場合は、どうでしょうか。 周囲の期待を裏切れば、亜紀さんのイメージは間違いなく下がるでしょう。せっかく今まで作り上げてきた自分。この期に及んで、わざわざイメージダウン化を図る必要があるのか、ちょっと考えてみてからでも遅くはないかもしれません。 僕もね、「いつも楽しそうで、いいですね」とよく言われるタイプ。そのたびに〝いや、けっこう大変なこともあるんですけどね”と思って、実際、陰では眉間にシワを寄せていたりもするんです。でも、この歳になると「楽しくなさそうに見えるより、いいか」って思うわけです。 でも、亜紀さんが「もうイヤだ。そろそろ本当の自分で生きたい……」と思うなら、まわりの期待さえ裏切れば問題は解決すると思います。 ただし、一気にイメージダウン化を図るのは危険です。「あの人、どうしちゃったの?」とまわりを戸惑わせ、人間関係を壊しかねない。そうすると、仕事まで失いかねませんよね。なので、本当の自分は小出しにしていったほうがいいかもしれません。 おそらく亜紀さんは、これまで「苦手」とか「イヤ」「嫌い」といった言葉をあまり使ってこなかったと思うので、手始めに「苦手」を一日の会話の中に2つぐらいはさむというの はどうでしょう。それで周囲がさほど驚かなかったら、次は「イヤ」「嫌い」をプラスする。それでもまだ大丈夫そうなら、「大嫌い」をプラスするという具合にダウン化を進めていけばよいと思うのですが。ま、なんだってほどほどが一番。「この人なら何を言ってもOKか?」くらいになってくださいね。【お悩み募集!】※ご応募にはハピプラ会員のプラス会員登録が必要です。※採用時は匿名にて掲載します。※承諾を得た場合を除き、応募されたかたの個人情報を目的以外に利用することはありません。【Marisol2月号2021年】撮影/露木聡子(みうらさん)イマキイレカオリ(辛酸さん) ヘア&メイク/得字マキ(nude./辛酸さん) 取材・文/鈴木裕子(みうらさん)1月22日
-
「もっと気楽に生きればいいのに・・・」という相談者さんに、みうらじゅんさんと辛酸なめ子さんが独自の視点で回答!【今月のお悩み】既婚者にばかり好意をもたれ、 困っています同じ部署の既婚者のかたから好意をもたれ、あまり近づきすぎないように距離を置いているのですが、それでも、仕事終わりや休日にも誘われるので、困っています。いつも"訳あり"のかたとお付き合いすることが多く、婚期を逃してしまっています。既婚者から好意をもたれやすいのは、なぜなんでしょう?(東京都・さとみ・40歳・会社員 趣味/旅行)☆辛酸なめ子さんの回答既婚者から誘われやすいということは、適度に男性経験もあって精神的に自立している大人の女、と思われているのでしょう。その逆の重い感じを出せば既婚者は寄ってこなくなりそうです。でも、誘われるうちが花だったと十数年後くらいに思うかもしれません……。☆みうらじゅんさんの回答あなたは、真の“魔性の女”かも !? どんな人生を歩みたいですか? さとみさんは、なぜ既婚者におモテになるのか? そこを考えてみる必要がありますね。既婚男に、「私との関係、どう考えているの?」というようなことを問いつめたりしなさそうな雰囲気をもってらっしゃるのではないか? 「彼女だったら、後々面倒なことにならず、うまく別れられる」などと男のほうも都合よく思ってたりしませんかね。そこは、さとみさんもわかってらっしゃるのか、「愛」ではなく「好意」をもたれる、と書いていらっしゃいますね。よく「スキがある人」という言い方をしますが、男たちはあなたのスキにつけ込んでいると同時に、あなたから発せられるスキフェロモンに引き寄せられてしまっているのかもしれません。 そして、実際にお付き合いを始めてみると、さとみさんは優しくて包容力がある。そういう女の人を嫌いな男はそうはいないと思います。 ですから、既婚男たちは、さとみさんの体だけが目的ではないような気がします。フェロモンの力だけでなく、あなたの人柄に彼らはまいってしまうのでしょう。と、いうことはですね。さとみさんのような人こそ、「魔性の女」なんじゃないかとも思えてくるわけです。だから今後、いくらあなたが既婚男たちから距離を置こうとしていても、彼らは相変わらず近寄ってくるでしょう。 問題なのは、さとみさんは、どうしたいかです。僕がひとつ引っかかるのは、あなたが既婚者にばかり言い寄られて「悩んでいる」のではなく、「困っている」ということです。悩んでいるのなら、「私は、こういう関係はイヤなんです」ときっぱり拒絶すれば、彼らも引き下がると思うんです。いくらあなたが魅力的でも、不倫であるという負い目がありますからね。 でも、あなたはただ「困っている」。既婚男たちから好意を示されるとついほだされ、受け入れてしまう可能性がある。「イヤです」と拒絶しないのは、心のどこかに「こういう人生もアリ、かな」という気持ちがあるからなのかもしれませんよ。 結局、現状を変えるカギは、あなたが握っていますからね。でも、関係をやめるかやめないかの判断を、あなたはつい、相手に委ねてしまうクセがある。 もし、現状から少しでも脱したいのであれば、この先、自分はどうしたいのか、改めて自分に問うてみるのがいいでしょう。自由に楽しく恋をし続けることも悪くはありません。どういう人生を歩むかの判断は、他人まかせにせず、自分で決めていいのですから。【お悩み募集!】※ご応募にはハピプラ会員のプラス会員登録が必要です。※採用時は匿名にて掲載します。※承諾を得た場合を除き、応募されたかたの個人情報を目的以外に利用することはありません。【Marisol2020年12月号】撮影/露木聡子(みうらさん)イマキイレカオリ(辛酸さん) ヘア&メイク/得字マキ(nude./辛酸さん) 取材・文/鈴木裕子(みうらさん)12月25日
-
「もっと気楽に生きればいいのに・・・」という相談者さんに、みうらじゅんさんと辛酸なめ子さんが独自の視点で回答!【今月のお悩み】スピリチュアルな 発言の多い従姉妹。もっと気楽に生きればいいのに…宗教的な発言の多い従姉妹にモヤモヤします。なんでもかんでも、身のまわりで起こることにスピリチュアル的な理由をつけているのを聞くと、イライラしてしまって。もっと気楽に生きればいいのに……。(東京都・ぱるる・36歳・会社員/趣味:料理、ファッション) ☆辛酸なめ子さんの回答スピリチュアルも時には役立つことがありますが、過度にスピな価値観で生きている人に対しては、現実的に生きていても十分幸せで成功しているとアピールするのもいいかもしれません。一線を引いた距離感が保てます。☆みうらじゅんさんの回答相手を“酔っぱらい”だと思って軽く受け流しておきませんか宗教的な発言とかスピリチュアルな話って、「おっしゃるとおり」なことも多いのかもしれませんし、それを話す従姉妹は「あなたのため」を思ってのことなのかもしれませんね。ただ、大きなお世話と感じるのは「上から目線」の発言にあるのではないでしょうか? 宗教的もしくはスピリチュアル的な話の内容に対してというよりも、「私はその真意を理解しているけれど、あなたにはわからないでしょ。だから教えてあげる」的な物言いに、ちょっとムッとしてしまうのではないでしょうか。 お寄せいただいたお悩みの文面からは、従姉妹さんがぱるるさんより年上なのか年下なのかわかりませんが、もし年下だとしたら、「なんだか知らないけど、えらそうに言いやがって」とイライラするはずです。 できれば言い負かしたいところですが、先方にも「これは真理ですから」の切り札がありますから、時間のムダというもの。また、親戚関係なのでケンカには持ち込みたくないですものね。 でも、なんとかこの従姉妹をギャフンと言わせたい……。「この気持ちを、どう表現して相手に伝えればいいですか?」ということを、僕に問われているわけでしょ? なかなかむずかしい問題ですが、結論から言うと、「はいはい」と聞き流しておくのが一番なんじゃないでしょうかね。 言い負かしたいというぱるるさんの気持ちもわかりますが、例えば「私、そういうことに興味がないから」と言おうものなら、「これは興味がある、ないの話ではない」とまた諭されるのがオチ。そこでますますムカついて反論すれば、倍返しどころか百倍返しに遭い……と、相手の思うツボにはまってしまいます。 となれば、聞き流すしかないと思うんですが、無視をすると相手はよけいに戦いを挑んでくるでしょうから、「聞いてますよ」というていで、右から左に。そう、相手のことなんておかまいなしでしゃべってくる子供に対処するような感じがベストです。 子育てをした者は誰しも痛感することですが、子供の言うことにいちいち受け答えしてるようでは、ノイローゼになってしまいます。それでなくても子供は相手のことなんておかまいなしに、しゃべりかけてきますから。そこで僕は、そんな相手を酔っぱらいだと思うことにしました。 酔っぱらいは、わけがわからなくなっているので、こちらが何を言っても通じませんね。そんな状態なので、彼らの言うことも、誰も真剣に聞かないでしょ。酔っぱらいを諭そうなんてしてもムダ。まわりは「放っておけばいいのに」と思って見ているもんです。 だから、ぱるるさんも今後、従姉妹さんのことを酔っぱらいだと思ってみてください。そして、ぱるるさんこそ気を楽にもって、「ああ、また言ってる」ぐらいに軽く聞き流しておきま しょうよ。【お悩み募集!】※ご応募にはハピプラ会員のプラス会員登録が必要です。※採用時は匿名にて掲載します。※承諾を得た場合を除き、応募されたかたの個人情報を目的以外に利用することはありません。【Marisol2020年12月号】撮影/露木聡子(みうらさん)イマキイレカオリ(辛酸さん) ヘア&メイク/得字マキ(nude./辛酸さん) 取材・文/鈴木裕子(みうらさん)12月3日
-
「素敵に年を重ねるために考えておきたい」という相談者さんに、みうらじゅんさんと辛酸なめ子さんが独自の視点で回答!【今月のお悩み】どんな女性が、真の意味の「勝ち組」なのでしょう?素敵に歳を重ねるために、イメージをもって生活したいです。ずばり、どんな女性が真の意味の「勝ち組」なのでしょう?有閑マダムか、美魔女か、女社長か、ロハス奥さまか。でも、「勝ち組」とか言っている時点で私は「負け組」か……(笑)。(大阪府・こなもん・37歳・会社員/趣味:娘とのお出かけ、カフェに行くこと、ネイルマッサージ)☆辛酸なめ子さんの回答二番手扱いに耐えられず、王室から離脱して不平不満だらけの暴露本にかかわったり、米国では米大統領選での投票を呼びかけ炎上と、やりたい放題のメーガン妃は「勝ち組」の成れの果て……。勝ち負けを気にせず穏やかに生きたいです☆みうらじゅんさんの回答最期に「あー、楽しかった!」 と言えれば、人生大勝ちです 僕は、前から「歳を重ねる」という表現がいけないと思ってるんです。それは「経験を重ねる」というような、何かいい方向に向かってるんじゃないか感が出てしまうからです。 でも、実際には歳は「取る」もので、当然、人間も万物流転のルールには逆らえません。つまり、こなもんさんにかぎらず、すべての人が平等に歳を取る=理想の自分がトーンダウンするわけで、そこに「勝ち」も「負け」も存在しません。 こなもんさんが「勝ち組」としてイメージしている女性たちは、お金とか名誉とかを持っている人、立場のある人ということのようですが、そうした立場も、いつ逆転するかわかりません。特にこのご時世、会社が倒産するかもしれないですし、その立場になってみないとわからない悩みもあるでしょう。 それでも、こなもんさんが「勝ち組」という幻想をおもちなら、「私はずっと勝ち組」と強く思い込む気持ちが大切です。そもそも勝ち負けを決めるのは自分だと思うことです。「ドゥーイットマイ“勝ち組”!」と日ごろから、念じましょう。 こなもんさんのご趣味を拝見すると、いずれも幸せそうに思いますが、どうでしょう? それこそ立派な勝ち組じゃないですか。 コロナ禍のステイホーム期間、僕はよく、THE 虎舞竜の『ロード』の一節、「何でもないような事が幸せだったと思う〜」というところを気がつけば口ずさんでいました。幸せって、なんでもない時にはなかなか実感できないものなんですよね。非常時になってようやく「あの時はよかった」なんて比較じゃないと思えない人間は、とても悲しいもんですよ。そこは気をつけて、なんでもないようなことから幸せを見出し、さらにフィックスするように「ドゥーイットマイ“勝ち組”」と、念じてください。 そして、死ぬ間際に「あー、なんて楽しい人生だったことよ」と言えれば万々歳。人生の最期にこのひと言を吐くために人は生きるべきなんじゃないかと思います。傍からは大変な人生に見えていても、本人が楽しかったと言うのなら、それは確実に勝ち組でしょう。 ただ、ふだんからその最期のひと言を言い慣れていないと、いざという時に出てこない可能性があります。だから、こなもんさんの場合、娘さんとのお出かけの帰り道、「あー、楽しかった!」と言うようにしてください。できるだけ大きな声でね。そうやって口ぐせにしてしまえばいいのです。 そうすると、だんだん毎日がなんでもない日じゃなくなってきます。それを僕は「自分洗脳」と呼んでいるのですが、そうやっていれば少しは人生の勝ち、負けなんて気にならなくなるんじゃないでしょうか。【お悩み募集!】※ご応募にはハピプラ会員のプラス会員登録が必要です。※採用時は匿名にて掲載します。※承諾を得た場合を除き、応募されたかたの個人情報を目的以外に利用することはありません。【Marisol2020年8月号】撮影/露木聡子(みうらさん)イマキイレカオリ(辛酸さん) ヘア&メイク/得字マキ(nude./辛酸さん) 取材・文/鈴木裕子(みうらさん)10月23日