マッサージと占いは似ている。不調を当てられて嬉しくなり軽くなって帰る。長い自粛期間を終えてマッサージを解禁したぞ。前回のマッサージは3月。長いウイルスとの闘いの中で、この数年欠かさず毎月通っていたエステにも足が遠のいてしまった。半年以上の間に蓄積されたのは疲れと角質。裸足の季節が過ぎ、私の足裏は乾燥した餅のようにひびわれて硬くなっていた。ストッキングどころではない、靴下でもがりがりとひっかける始末。自分でクリームを塗ってもやすりで削ってもたかが知れている、おしゃれしたけど下着が古くてなんだか居心地が悪い、そんな感じの足を靴に隠していた日々ともおさらばだ。久しぶりのマッサージは足裏の角質が取れるところにしよう。予約サイトで探して見ると角質を刃物で削ってくれる店があった。そこに決定。年に一度のお楽しみだった香港旅行では足裏の角質取りが楽しみの一つ。香港では「上海ペディキュア」という施術名の角質取り。数種類の刃物で角質を削り取ってくれる。足裏から爪の甘皮まで。この施術後、足のかかとは乾いた餅からふかしたての饅頭に姿を変える。赤ちゃんのようにやわらかくすべすべの足裏。旅行にはしばらく行けないだろうからあの感動を日本で味わえたらそれこそ新しい生活様式ではないか。店の開店は11時。開店1番に予約を入れるのがなんとなく清潔な感じがして好きだ。11時ちょうどに店に着くと待合のテーブルにお茶とお絞りが置かれていた。遅刻厳禁ということだな。雑居ビルの外観からは想像できないほど店は広く、そして質素で清潔。店内に入ると名前を確認してから問診表を記載した。氏名住所等を書いた後、運動習慣に丸をする欄があり、ストレッチと筋トレに丸をした後でもしや身体を触られて「筋トレは嘘だな」と思われたらまずいと思いなおし、(始めたばかり)と不要な言い訳を追記した。さて、お待ちかねの施術。角質取りはシン先生だけだそうだ。指名料は1000円かかる。指名料を取る先生と取らない先生がいるのなら、私は喜んで指名料を払いたいタイプの人間だ。水戸黄門のオープニングで観た家紋が描かれた半ズボンの作務衣がベッドに置かれ、着替えた。案内してくれた女性に「パンツ脱ぐ?」と聞いたら「パンツ脱がない」「ブラは取る?」「取っても取らなくてもいい」とのこと、参考までに記録する。着替えて仰向けに寝ているとシン先生が再登場。仰向けで待てとのことで、寝て待っていたのだが、角質取りなのにフットバスは吹っ飛ばす作戦か?と思っていたらシン先生は寝たままの私に「は~いこれに足を入れてくださーい」と桶を見せてきた。つまり、寝たまま膝を立てて足湯をするという斬新なスタイルの提案である。お湯は熱めでとても快適だがきったねえ海に入った時のように足にわかめのようなものがはりつく気持ち悪さもある。シン先生「漢方薬とお茶入ってまーす」お茶の葉だな、このわかめは。しばらくわかめと戯れてシン先生再登場。足についたわかめやら水分を拭い、施術が始まった。ガリガリガリガリカリカリカリカリ。ここまで分厚く角質を溜め込んで心から恥ずかしい気持ち。初対面のシン先生にこんなことまでしてもらって、という申し訳ない気持ちでいっぱいになる。シン先生「角質しばらくぶりですねー」ばれている。施術が終わったのだろうか、両足にホットタオルを巻かれてしばらく放置となった。冷えないように再び温めるだろうか?と思ったところでシン先生再登場。左足のタオルを取って、再びカリカリカリカリと削り始める。セカンドシーズンがいきなり始まった。様子をレポートしたいからと寝ないで記憶せねばと思うのだが、どうにも眠い。ときどき自分のいびきではっと我に返る事数回、シン先生から名前を呼ばれて起こされた。終わって足元を見ると山盛りのパルメザンチーズ然とした角質が私の身体から削られていた。写真を一応撮らせてもらったが帰宅して家族に見せたところ「オエ~」と吐きそうなリアクションをしたので、画像は自主規制としたい。足裏は血色も取り戻してピンク色。柔らかくふかふかの饅頭となった。爪の甘皮もすべて綺麗になっており、大満足となった。この後追加で足裏とふくらはぎのマッサージをしてもらった。どこを触られても痛くて痛くてたまらない足裏。しかし痛いながらもやっぱりマッサージって最高だぜ!と元気になるもんだから、やめられない。今回訪れたのは有楽町にある台湾式角質取り「満足」という店。予約サイトのクーポンを使ったが、店で料金表を見ても同じ値段だったので、ポイントを集めてない人だったらそのまま予約して問題ないだろう。【本格足裏角質取り70分】6500円場所は有楽町にある有名パン屋「セントルザ・ベーカリー」の一本裏の道路。ということで帰りはセントルでトーストセットを堪能して帰宅。半年に一度は通ってきれいな饅頭かかとをキープしたい。