焼き鯖とうどんに逢いたくて、高松

SPUR.JP

GWに高松を訪れるということで、美味しいうどん三昧だろうという目論見がありましたが、甘かった! いつでもサクッと食べられるなんてものじゃなく、名店は開店と同時に客が入り、昼前にはことごとく店を閉めるという実態を知らなかったのです! 調べが甘~い! 車ではるばる、しかも午前中にたどりついたというのにもう閉店、早ッ! という憂き目に何度もあいました……。

そんなとき、地元の方に通しで営業している「うどん本陣 山田家」を教えていただいたのです! 11時半くらいに車で訪れたのですが、すでに駐車するのもやっとという混み具合。立派なかまえの門をくぐるとだだっ広い中庭のあちこちに人、人、人が溢れんばかり。受付がわかりやすくあるので、名簿に名前を記入。エントリーナンバー60番台ということで、いつうどんにありつけるのだ、と不安になるも、お店のお兄さんたちのキビキビした動きに説得力があり、「待ってりゃ大丈夫」という安心感を与えてくれるんです。それはこんな具合……一人の男性が名簿を片手に、ハッキリとした声で順番に名前を読み上げていきます。すると別館もある大きな店舗のどこに行けばいいのか、左右に配された男性スタッフが「こっち! こっちです!」と旗を振って案内してくれるんです。DJポリスならぬDJ UDONとでも呼びたい見事な”交通整理”、ときどき給仕さんが中庭を突っ切って別棟に向かうときにも「はい、おうどん通ります」としっかり掛け声がなされ、あまりにも手馴れていて気持ちいい。さらに中庭や店舗であるお屋敷の縁側など座るところがあちこち設けられていてなごめ、ただの突っ立ち行列ではないのでなんとか待てました。

というわけで60番台で1時間くらいたってやっと呼ばれましたかね。

重要文化財に指定されたお屋敷は、もと造り酒屋だそうで。カオスな待合所(笑)に比して、なかはすっかりくつろぎムードというのもおすすめポイントです。

「焼鯖寿し定食」。うどんに天ぷらに焼き鯖寿しという文字通りオイシイ取り合わせです。

一見ふわっとやわらかそうですが、噛むとモチモチです。

立派な庭の一角。

うどんは純粋に「ざるぶっかけ」や「釜ぶっかけ」を頼むべきだったのかもしれませんが、お腹がすきすぎて、そして「焼鯖寿し」があまりにも気になって、「焼鯖寿し定食」をオーダー。焼鯖寿しにてんぷらにわかめうどん(もしくはざるうどんが選べる)のセットです。香ばしく焼き上げた鯖はかめばかむほど旨味が出て、生姜やシソが入った清涼感ある寿し飯と絶妙なハーモニー! かんじんのうどんはというと、大げさではなく口から飛び出さんばかりの弾力……非常に力強さを感じました。透き通る出汁は旨み→甘さ→ほんのり塩気の三波が口にするたびにやさしく押し寄せて、最後まで飲み干してしまうくらい。天ぷらだって、こんなに軽やかに揚がるものだろうか。噛み心地は「サックサク」どころか、ここにスタッカートをつけねば表現し足りない!

広大な敷地に満ち満ちるお店の方々のエネルギーと、しっとり落ち着く家屋、安定のうまさのうどんと三位一体で、これぞ正しい商売繁盛のかたちと納得。帰途、店舗に至るまでの道のりに“UDON渋滞”が2キロほどできていました!

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  • サステナブルで、実は節約にもなる!?と注目度上昇中の【ミツロウラップ】と【シリコンバッグ】の使い心地は・・・? 巷で話題の気になるあれこれを、WEBエディターMMがリアルにお試しして、その感想をレポート! 今回は「Bee Eco Wrap」と「Stasher」をピックアップします。▲Bee Eco Wrapエコバッグを持ち歩いてレジ袋をもらわないようにしているのに、家では日々ラップやジップつきバッグを使っては捨てを繰り返してるのって、どうなの!? サステナブルな意識がちょっとずつ個人レベルでも高まっているいま、ネットで話題になっている2アイテムを使ってみました。 ひとつ目が、何度も繰り返し使えるオーガニックなフードラップ【Bee Eco Wrap】。 オーガニックコットンの生地に蜜蝋と木の樹脂、ホホバ油でコーティングしたもの。天然の抗菌・殺菌作用があり、食品を新鮮に保つことができるんだそう。水と食器洗剤で洗って、繰り返し使えます。 ▲stasherふたつ目が、【stasher】のシリコーンバッグ。食品用品質として認定されている100%ピュアプラチナシリコーン製で、これもリユーサブル! 耐熱温度は250℃、耐冷温度は-18℃。加熱・冷凍OKで調理にそのまま使えちゃう優れもの。   モデルのローラさんがYouTubeで紹介していたことで注目されたアイテムです。■使いかけ野菜の保存にぴったり!Bee Eco Wrapを使ってみたBeeEcoWrap 〈左〉Mサイズ:約27cm角、〈右〉Sサイズ:約18cm角S〜XLまでの4サイズあるBee Eco Wrapから、使用用途の幅が広そうかなと思ったSサイズとMサイズをお試しします!   触って見ると、ちょっとペタペタする重ためのクロスという感じです。このペタペタ感は、何度か使って洗うを繰り返しているうちに、落ち着ついてきました。   抗菌性のある蜜蝋やホホバ油の天然の保存性によって、野菜を新鮮に保ってくれる効果がある! ということで、まずは野菜を包んで見ます。ちなみに普段は、使う分だけカットした残りの野菜はラップに包んで保存しています。一応、無添加のポリエチレン製のラップにしているのですが、くっつき力が弱くて冷蔵庫入れてるうちに、気づいたらはがれかけてるなんてことも・・・。Bee Eco Wrapは手のあたたかさで柔らかくなるので、野菜をバサッと覆ったら、手のひらで軽く圧をかけると野菜の形にピタッと沿います! お味噌汁に入れるために1/4だけ使ったあとの、残りのかぼちゃのカット面にも隙間なくフィットしました。小さめのかぼちゃだったのでMサイズで包めました。Sサイズは大根や人参の断面を覆うのにジャストなサイズ!  手の温度で柔らかくなりますが、冷えると固まるので、しっかり密閉できました。そのため、Bee Eco Wrapを一回外して、また大根を少しだけ使って残りを包み直す、これを何度繰り返してもピタッと包めます。 普通のラップだと1回目は密着しても、2回、3回で密着力がなくなって捨ててしまっていましたから、エコなうえに、新しいラップで包み直す手間もかからなくて、とっても便利!Bee Eco Wrapで覆った大根の断面の3日経過した状態がこちら(↑)。 いつもならすぐ乾燥してパサパサな断面になっていたのに、見た目にも水分が残っているのがわかります。生鮮食品も週末にまとめ買いして、平日ちょっとずつ使っていく派としては、鮮度が保てるのはうれしい!!   LやXLサイズなら、キャベツやレタスを丸ごと包んで保存もできるみたいです。 最近、家でもペーパーレス化と称して新聞を電子版に変えたため、野菜の保存がビニール袋かポリエチレンのラップになっていたので、繰り返し使えて保存性の高いBee Eco Wrapを数枚持っていると便利だと思います。蜜蝋が熱で溶けてしまうので、レンチンや熱々のものを包むことはできませんが、それ以外は普通のラップのように用途も豊富。   仕事中に飲みかけのドリンクのフタ代わりにコップに、残り物のごはんのお皿にかぶせておく。透明のラップを使うより、見た目が圧倒的におしゃれになるので、テーブルに置きっ放しにしてるのを見られても恥ずかしくありません(笑)。使い始めはペタペタした蜜蝋のワックスがグラスにつくことがありますが、お湯で洗えばするっと落ちるので問題なく使えます。個人的に便利だなと思ったのは、サンドイッチやおにぎりを包む使い方。仕事が立て込んでいて、ランチに出れなさそうな日は、こういった軽食を作ってオフィスに持っていくのですが、普通のラップに包んだものだと気づいたらバッグの中で潰れるけど、ランチボックスに入れていくと食べ終わった後もバッグの中でスペースをとる・・・。   Bee Eco Wrapで包んで冷蔵庫でしっかり冷やしておくと、ある程度固くなるので、べちゃっと潰れるのを防げるし、昼食後はペタッと折りたためばいいので超コンパクトになります! バッグに入れたときに、他の荷物に蜜蝋ワックスがついてしまう場合があるので、Bee Eco Wrapの上からお弁当箱を包むクロス等で覆うとベターなようです。Bee Eco Wrap Sサイズ ¥902、Mサイズ ¥1,452(ともに税込)●「Bee Eco Wrap」公式サイトはこちら■保存+調理ができる一石二鳥なStasherも使ってみた!〈左から〉ハーフガロン(Lサイズ)、サンドイッチ(Mサイズ)、スナック(Sサイズ)、スタンドアップ(マチつき)stasherの公式サイト限定で発売されている4点セットを使ってみました!   セット内容は、「スタンドアップ」と「ハーフガロン(Lサイズ)」、「サンドイッチ(Mサイズ)」、「スナック(Sサイズ)」が各1点ずつ。 密閉性が高いので、使いやすいサイズにカットした野菜をそのままバッグに入れて冷蔵保存が可能です。この日は冷蔵庫がガラッとしてたので寝かせて置きましたが、野菜室に立てて入れればスッキリ収まって、収納スペースも確保できそう!   こちらの野菜を入れたサイズ(写真上)は、サンドイッチ(Mサイズ)。マチがないので、空気を抜きながら封をしてほぼ真空状態にすることができて、鮮度が長持ちします。実際に週末にカットしてstasherに入れたこの野菜は、3日後に使うときも乾燥してしなびることなく、新鮮さが残っていました!この日はstasherに野菜を入れたまま湯煎して、温野菜のサラダを作りました。保存容器でそのまま調理ができちゃうから、洗い物が少なくて済むのがうれしい!!汚れ物を増やさずに調理できるという点で言えば、250℃まで耐熱性があるのでオーブンで使えるというのがすごく便利。stasherのハーフガロン(Lサイズ)にお肉と調味料を入れて漬け込んだものを、そのままオーブンへ。オーブンのトレイを汚さずに済むうえ、stasherに入れたままだとお肉の水分を閉じ込めたまま焼けるのでしっとりおいしく仕上がります!セットの4サイズ試したなかで、一番使い勝手がいいなと思ったのが「スタンドアップ」というマチ付きタイプ。多めに作ったスープを入れて冷凍保存したり、立体的な野菜や果物を丸ごと入れることも可能です。なにより調理道具としての幅が広い! お手軽レンチン料理をよくする方に、特におすすめです!   ちなみに4点セットのスタンドアップは、ミディアムサイズで縦が19.5cmあります。25Lサイズの家の電子レンジでギリギリ入るサイズだったので、自宅の電子レンジサイズを確認してから選ぶのをおすすめします。 わたしはごはんは玄米が好きなのですが、家族はみんな白米派。なのでいつもは3合くらいまとめて炊いて、小分けに冷凍保存して1週間のうちに食べていくというスタイルなんです(笑)。 でもスタンドアップに1合分の玄米を入れて、お水を入れてレンジでチンで、ふっくらおいしい玄米が炊けました!! 最初に600Wで6分チン、次に200Wに下げて12分チン。蒸らし時間を入れても30分かからずに玄米が炊けるんです。ごはん以外に、パスタもうどんもいけます! スタンドアップのミディアムだと麺の方が少しだけ長いので、折らないと入らないのはちょっと難点かもしれませんが、在宅勤務中の昼食を1人前サクッと作れる楽さを考えれば、すする麺が多少短いのなんて気になりません(笑)!   ちなみに乾麺とお水にプラスして、ベーコンや調味料を入れて一緒にチン。レンジから取り出したあたたかいバッグの溶き卵と粉チーズを入れて混ぜれば、フライパンを一切使わずにカルボナーラが完成!手を動かしたのなんて実質2分。この手軽さで料理ができるなんて、年末に向けて確実に忙しくなっていくこの時期の救世主!  ひっそり、感動したのが洗い物のとき。stasherのバッグは、角が全部丸いので、スポンジがしっかり届くのです! ジップつきのプラスチック袋も1回で捨てずに洗って使っていたときは、お肉をつけたあとは一生懸命洗わないと角に調味料がくっついてたのですが、これは意識せずささっと洗いで済みました。   わたしの家にはないので試せなかったのですが、食洗機も対応しているそうです。 stasher クリア4点セット ¥6,820(税込・公式サイト特別価格)●「stasher」公式サイトはこちら■まとめ:BeeEcoWrapとstasherは、環境にもやさしいし生活も快適になる!いままでの使い捨ての食品保存アイテムより、サステナブルではあるけど使うときに多少手間は感じるのかなと思っていたのですが、そんなことありませんでした。もちろんリユースするのに洗う&乾かす工程は増えますが、使い捨ての袋やラップみたいに「もうすぐなくなるから買いに行かなきゃ〜」なんて考えずに済むという方が、QOLを考えればお得です!    WEBエディター MM ファッション&ビューティをはじめ、オールジャンルの記事を企画・執筆。エディター業と並行してアパレルのPRとしても働くなかでキャッチした最新トピックスから、アラフォーの日々が快適&楽しくなるモノやサービスをお試ししていきます! イラスト/ユリコフ・カワヒロ
  • 12星座全体の運勢「雪が花に変わるとき」 11月22日の「小雪」を過ぎれば、もう雪の季節。「一片飛び来れば一片の寒」と言うように舞いくる寒さに本格的に備え始めるこの頃には、こたつを導入したり暖房を入れ始める人も増えてくるはず。 そして11月30日には、静かに深まってゆく冬の夜に双子座の満月を迎えていきます。今回のテーマは「緊張の中にあるゆるみ」。精神を鋭敏に研ぎ澄ましていくなかで訪れる一瞬の静けさ、そして平穏。それは瞑想の境地が深まったときの感覚にも似ています。初めは雑念ばかりが浮かんで、かえって心が騒がしく感じたり、眠くなってしまったりしていたのが、自然と頭が消えて胴体だけになったように感じてきて、意識は活動しているのに、何かを「志向する」ことなしにいられる「非思考」状態に入っていく。 禅ではこれを「自分自身の『私』を忘れる」とか「非思量」などと言うそうですが、それはどこか「風花」というこの時期の季語を思わせます。風花とは風に運ばれてちらちらと舞う雪のかけらのことですが、あっけないほどのはかなさで消えていく雪片に、ひとつの花を見出していくのです。それはすべてのものに命があると考えていた日本人が、厳しい冬の訪れにも愛おしむような気持ちを向けていたことの何よりの証しでしょう。 今回の満月でも、集中力を高めて厳しい現実や人生の課題(雪片)と向かい合っていくことで、そのなかに隠された恵みや喜び(花)を見出していくことができるかどうかが問われていくはず。蟹座(かに座)今期のかに座のキーワードは、「後悔しないために」。 画家のポール・ゴーギャンと言えば、19世紀末のパリで新しい画壇の指導者的存在と見なされていたにも関わらず、ヨーロッパを逃れてオセアニアのタヒチ島に飛び出し、現地で牧歌的生活を送ったイメージが浮かびます。  しかし、実際にはオセアニアでは度重なる妻との別離や、健康状態の悪化、隣人とのいさかい、名誉棄損での有罪判決など、波瀾に満ちた生活を送り、晩年は孤独な日々を過ごし、急死した後もその報は母国に届かず、遺言もなかったため、家財はほとんど売り払われてしまったのだとか。  彼が自分の死期が近いことを悟ってから書いた回顧録風のエッセー集には、実に味わい深い文章が数多く収められているのですが、中でも「人生とは」という野暮ったい表題が付けられた章には、率直にその生きざまのエッセンスが込められているように思います。  冒頭には「人生とは、人がそれを意志的に実践するのでなければ、少なくともその人の意志の程度にしか、意味を持たないものだ、と私は考えている。美徳、善・悪などはことばである。もし人々が、それを挽き砕いて建物をたてるのでなければ、(中略)意味を持たない」とあり、続いてあっちこっち矛盾する述懐をこねくりまわした後に「私はときには善良であった―私はそのことで得意になりはしない。私はしばしば不良であった―私はそれを後悔しない」と爽やかに結んでみせるのです。  それはヨーロッパ文明の人工的・因習的な何もかもから脱出せんとしたゴーギャンがたどりついた、自然で未知に取り囲まれたありのままの生の姿だったのではないでしょうか。  今期のかに座もまた、いったんは破綻し、当たり前のようにあった現実が壊れてしまったその跡地でこそ、ゴーギャンが掴み取ったような自然体な生が立ち現れてくるのだということを実感していけるはず。絵に描いたような「ことば」ではなく、それを噛み砕いた自分なりの実感を大切にしていきたいところです。  参考:ゴーギャン、前川堅市訳『ゴーガン 私記』(美術出版社) 12星座占い<11/15~11/28>まとめはこちら<プロフィール>應義塾大学哲学科卒。卒業後は某ベンチャーにて営業職を経て、現在西洋占星術師として活躍。英国占星術協会所属。古代哲学の研究を基礎とし、独自にカスタマイズした緻密かつ論理的なリーディングが持ち味。文/SUGAR イラスト/チヤキ
  • [目次] 【SUGARさんの12星座占い】<11/15~11/28>の12星座全体の運勢は? 【SUGARさんの12星座占い】12星座別の運勢 《牡羊座(おひつじ座)》 《牡牛座(おうし座)》 《双子座(ふたご座)》 《蟹座(かに座)》 《獅子座(しし座)》 《乙女座(おとめ座)》 《天秤座(てんびん座)》 《蠍座(さそり座)》 《射手座(いて座)》 《山羊座(やぎ座)》 《水瓶座(みずがめ座)》 《魚座(うお座)》 【SUGARさんの12星座占い】<11/15~11/28>の12星座全体の運勢は?「雪が花に変わるとき」 11月22日の「小雪」を過ぎれば、もう雪の季節。「一片飛び来れば一片の寒」と言うように舞いくる寒さに本格的に備え始めるこの頃には、こたつを導入したり暖房を入れ始める人も増えてくるはず。 そして11月30日には、静かに深まってゆく冬の夜に双子座の満月を迎えていきます。今回のテーマは「緊張の中にあるゆるみ」。精神を鋭敏に研ぎ澄ましていくなかで訪れる一瞬の静けさ、そして平穏。それは瞑想の境地が深まったときの感覚にも似ています。初めは雑念ばかりが浮かんで、かえって心が騒がしく感じたり、眠くなってしまったりしていたのが、自然と頭が消えて胴体だけになったように感じてきて、意識は活動しているのに、何かを「志向する」ことなしにいられる「非思考」状態に入っていく。 禅ではこれを「自分自身の『私』を忘れる」とか「非思量」などと言うそうですが、それはどこか「風花」というこの時期の季語を思わせます。風花とは風に運ばれてちらちらと舞う雪のかけらのことですが、あっけないほどのはかなさで消えていく雪片に、ひとつの花を見出していくのです。それはすべてのものに命があると考えていた日本人が、厳しい冬の訪れにも愛おしむような気持ちを向けていたことの何よりの証しでしょう。 今回の満月でも、集中力を高めて厳しい現実や人生の課題(雪片)と向かい合っていくことで、そのなかに隠された恵みや喜び(花)を見出していくことができるかどうかが問われていくはず。 《牡羊座(おひつじ座)》(3/21〜4/19)今期のおひつじ座のキーワードは、「不条理に抗う」。 カミュの『ペスト』は、新型コロナウイルス感染症が世に広まってから、おそらく最も読み返されている文学作品の一つですが、じつは多くの人が感染症に脅かされた経験や事実から書かれたものではなく、第二次大戦中にナチスに支配された傀儡政権下のフランスで、閉ざされた生活環境のなか、結核の再発に怯えつつ過ごす中で構想された作品でした。  つまり、見捨てられるように死んでいく人が多数出てしまう感染症は、この作品ではあくまで隠喩として用いられ、主人公としてそれに淡々と立ち向かう現場の医師リウーは、絶望的な状況での抵抗の生き方を指し示しているのだと言えます。  それは例えば、不条理と感じられる事態に対して「悔い改める」ことを要求するパヌルー神父との間に交わされた次のような会話にも凝縮して表現されています。  リウー「まったくあの子だけは、少なくとも罪のない者でした。あなたもそれはご存知のはずです!」 パヌルー「どうして私にあんな怒ったような言い方をなさったのです。私だってあの光景は見るに忍びなかったのですよ」 リウー「ほんとに、そうでした。悪く思わないでください。…この街では僕はもう憤りの気持ちしか感じられなくなるときがよくあるんです」 パヌルー「それはわかります。まったく憤りたくなるようなことです。しかし、それはつまり、それがわれわれの尺度を超えたことだからです。恐らくわれわれは自分たちの理解できないことを愛さねばならないのです」 リウー「そんなことはありません。僕は愛というものをもっと違ったふうに考えています。そうして、子供たちが責め苛まれるように作られたこんな世界を愛することなどは、死んでも肯んじません」 パヌルー「(寂しげに)ほんとにリウーさん。私には今やっとわかりました。恩寵と言われているのはどういうことか」 リウー「それは僕にはないものです、確かに。しかし僕はそんなことをあなたと議論したいとは思いません。われわれは一緒に働いているんです、冒涜や祈祷を越えてわれわれを結びつける何ものかのために。それだけが重要な点です」  主人公は神を信じてはいませんが、神に代わる何かについて語り、何よりそれを日々の生活に即した労働の中に見出そうとしているのです。人間を責めるのではなく、穏やかに受け入れるようになるために。  今期のおひつじ座もまた、犠牲者が次々と生み出されていく構造が厳然と存在している現代世界において、どうしたら自分の生活をこの主人公の振る舞いに近づけていけるか、改めて考えてみるといいでしょう。 参考:アルベール・カミュ、宮崎嶺雄訳『ペスト』(新潮文庫) 《牡牛座(おうし座)》(4/20〜5/20)今期のおうし座のキーワードは、「癖を愛でる」。 16~17世紀イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは、大法官として当時イギリスの政治事情にも深く関わっていた人物でもあり、そうした経験をふんだんに交えて書かれた『エッセー』の著者としても知られています。  その中でも「運命」をめぐる一連の記述は、今期のおうし座にとっても重要な指針となっていくはず。  ベーコンは、人間の運命は外的な諸条件にも左右されるが「目を凝らして注意深く観察すれば、運命を見分けることができよう。運命は盲目だが、見分けられぬものではないから」とまずことわった上で、次のように述べるのです。  「運命の歩みは、空の銀河に似ている。銀河は多くの小さな星の集まり、あるいは塊りである。小さな星は散在していてよく見えないが、一緒になって光っている。同様に、多くの小さな、見えにくい徳性が集まって人々を仕合わせにするのである」  面白いのは、それに付け加えて「イタリア人はそれらのうち、人のほとんど気付かない二、三の点に注目し、見どころのある人間について、ちょっと愚直なところがあることを他の条件とともに挙げている」とベーコンが言っている部分。  「愚か」と評したくなるほどに実直で一本気であることは、確かに「小さな、見えにくい徳性」の例としては適切ですし、案外、ほどよく表裏がなくて誰からも好感をもたれる性格よりも、よほど人の運命を左右する要因になるのかも知れません。  そうした、場合によってはアクに感じられるような、普段ほとんど意識していないような小さな癖を見つめるように心がければ、確かにベーコンの言う通り、あまりひどく運命に翻弄されることからは免れられるはず。  自分にはどんな些細な癖や、「小さな、見えにくい徳性」があるのか―。今回の満月はそんなことを意識してみるといいでしょう。  参考:渡辺義雄訳『ベーコン随想集』(岩波文庫) 《双子座(ふたご座)》(5/21〜6/21)今期のふたご座のキーワードは、「スナフキン」。 言われてみれば当然のことですが、人生は仕事がすべてではない。今すぐ仕事場の外へ出て、あたりをぐるりと見回したら、あくせく働いたりする生き方とは対極にある人物―『ムーミン』シリーズの影のヒーローであるスナフキン―のことを思い出してみてください。  スナフキンは謎めいた旅人で、詩人で、音楽家でもあり、毎年春になると帽子をかぶりハーモニカをもってムーミン谷に姿を現します。ムーミンたちはいつもスナフキンのことを待ちわびていて、スナフキンが来てはじめて本当に春が来たように感じるほど。  ただし、だからといって彼をあてにしてはいけない。スナフキンは「都合がついたら来るよ」と言う一方で、「もしかしたらぜんぜん来ないかもしれない。まったくちがう方向へ行ってしまうかもしれないからね」とも言っているから。  風変わりな自由人スナフキンは、何より身軽に旅をすることを大切にしています。トランクはいつもほとんど空っぽ。興味がわいたものを徹底的に知り尽くしたら、後に置いていって、持ち歩いたりしない。 そして、気が向いた場所にテントを張って、どこまでも続く道を家とする。  もちろん、すべてをスナフキンのようにするのは難しいでしょう。けれど、ふたご座の人が世界をすばらしく輝かしい場所と感じていくためには、机にかじりついていたり、人間関係や財産をあまりにガチガチに固定したり、詰め込み過ぎてしまうのはご法度なのだということも痛感しているはず。  今期のふたご座は、そんな本来の自分らしさを取り戻す意味でも、スナフキンのように帽子に羽根をつけて軽やかに道をいくイメージを大切にしていきたいところ。  参考:トーベ・ヤンソン、山室静訳『たのしいムーミン一家』(講談社文庫) 《蟹座(かに座)》(6/22〜7/22)今期のかに座のキーワードは、「後悔しないために」。 画家のポール・ゴーギャンと言えば、19世紀末のパリで新しい画壇の指導者的存在と見なされていたにも関わらず、ヨーロッパを逃れてオセアニアのタヒチ島に飛び出し、現地で牧歌的生活を送ったイメージが浮かびます。  しかし、実際にはオセアニアでは度重なる妻との別離や、健康状態の悪化、隣人とのいさかい、名誉棄損での有罪判決など、波瀾に満ちた生活を送り、晩年は孤独な日々を過ごし、急死した後もその報は母国に届かず、遺言もなかったため、家財はほとんど売り払われてしまったのだとか。  彼が自分の死期が近いことを悟ってから書いた回顧録風のエッセー集には、実に味わい深い文章が数多く収められているのですが、中でも「人生とは」という野暮ったい表題が付けられた章には、率直にその生きざまのエッセンスが込められているように思います。  冒頭には「人生とは、人がそれを意志的に実践するのでなければ、少なくともその人の意志の程度にしか、意味を持たないものだ、と私は考えている。美徳、善・悪などはことばである。もし人々が、それを挽き砕いて建物をたてるのでなければ、(中略)意味を持たない」とあり、続いてあっちこっち矛盾する述懐をこねくりまわした後に「私はときには善良であった―私はそのことで得意になりはしない。私はしばしば不良であった―私はそれを後悔しない」と爽やかに結んでみせるのです。  それはヨーロッパ文明の人工的・因習的な何もかもから脱出せんとしたゴーギャンがたどりついた、自然で未知に取り囲まれたありのままの生の姿だったのではないでしょうか。  今期のかに座もまた、いったんは破綻し、当たり前のようにあった現実が壊れてしまったその跡地でこそ、ゴーギャンが掴み取ったような自然体な生が立ち現れてくるのだということを実感していけるはず。絵に描いたような「ことば」ではなく、それを噛み砕いた自分なりの実感を大切にしていきたいところです。  参考:ゴーギャン、前川堅市訳『ゴーガン 私記』(美術出版社) 《獅子座(しし座)》(7/23〜8/22)今期のしし座のキーワードは、「生活を詩にすること」。 「労働者に必要なのは、パンでもバターでもなく、美であり、詩である」。  ユダヤ人女性思想家シモーヌ・ヴェイユ(1909~1943)の言葉です。彼女は、労働の意味だけでなく、芸術の本質についても、この宇宙を統御している二つの力「重力と恩寵(おんちょう)」という独自の用語によって、同名の断章集の中で何度も繰り返し考察していました。  彼女の言う「重力」とは、物体の重力にも似た”こころの惰性的で功利的な働き”のことであり、それに対して「恩寵」とは、”こころの単なる自然な働きを超えたもの”を指し、「光」とも言い換えられています。  例えば、彼女は「グレゴリオ聖歌のひとつの旋律は、ひとりの殉教者の死と同じだけの証言」をしており、それは「重力のすることを、もう一度愛によってやり直す」という"二重の下降運動”こそ、「あらゆる芸術の鍵」なのだと述べた上で、次のように言い切るのです。  「情熱的な音楽ファンが、背徳的な人間だということも大いにありうることである。だが、グレゴリオ聖歌を渇くように求めている人がそうだなんてことは、とても信じられない」、と。  彼女は、労働者たちには「その生活が詩になること」こそ必要なのであり、「ただ宗教だけが、この詩の源泉となることができる」こと、また「宗教ではなく、革命こそが民衆のアヘンである」と強調していました。  彼女の生きたのは二十世紀前半でしたが、彼女の「労働者から詩が奪われていることこそ、あらゆる形での道徳的退廃の理由なのだ」といった指摘は現代人においても、ますます重要になってきているように思います。  今期のしし座もまた、自身の生活がどれだけ重力に支配されているか、また、恩寵を迎え入れるだけの渇望や真空状態にどれだけ敏感になれているか、改めて振り返ってみるといいでしょう。  参考:シモーヌ・ヴェイユ、田辺保訳『重力と恩寵』(ちくま学芸文庫) 《乙女座(おとめ座)》(8/23〜9/22)今期のおとめ座のキーワードは、「Bライフ」。 都心に一戸建てを買う。その代わり、三十年ローンを組んで数千万の借金をして、家と会社に自身を縛りつける。そういう生き方がもう当たり前には成り立たなくなってきた昨今、郊外や田舎への移住だけでなく、「家は借金をしてでもいつかは買うもの」という常識自体が揺らぎ始めているように思います。  高村友也の『自作の小屋で暮らそう』は、路上生活を経て合法的な小屋暮らしを志向した著者が、実際に10万円で山梨の雑木林に掘っ立て小屋を建て、ベーシックに暮らす(Bライフ)までの試行錯誤をまとめた本であり、断捨離やスローライフなどに興味を抱いている多くの人にとってバイブルのような一冊と言えるのではないでしょうか。  本書には、実際の小屋を建てる上での工夫や工程だけでなく、家計簿や生活サイクルなどの“裏側”情報が満載なのですが、中でもひときわ目をひくのが、章と章のあいだに差し込まれている著者の生活を垣間見た隣人や来訪者などにかけられた印象的な言葉の数々。  それは例えば、家を建てたばかりの頃に、宅配便のおじさんがかけてきた、「ここでがんばってるんですか?」という一言で、「がんばって」の箇所には強調点が打たれています。  この言い方には、確かにひっかかる何かがあります。それは「小屋暮らし」というものが、普通の暮らしをひとつひとつ手放していくことで、生活の「最低限」を頑張って下げていった先にあるものという世間の一般的なイメージを浮き彫りにするだけでなく、大きな犠牲を払うだけの理由やうしろめたさを思わず探ってしまう人間心理を炙りだすからでしょう。  けれど、著者のスタンスはどうもそういうものとは違っているのです。「好きなだけ寝転がっていられる」自由な状態をできる限り続けたいと思って小屋を建てた訳で、「基本が野宿」というか、普通の生活を手放していくというより、何もないところから足していく感じで「最低限」を模索している。  その意味では、今期のおとめ座もまた、自分なりの「ベーシックライフ」というものを、普通から減らしていく形ではなく、これだけは譲れないor譲りたくない生活の根幹から足していくやり方で模索してみるといいかも知れません。  参考:高村友也『自作の小屋で暮らそう』(ちくま文庫) 《天秤座(てんびん座)》(9/23〜10/23)今期のてんびん座のキーワードは、「迷宮感覚」。 ルーマニア出身で20世紀を代表する宗教学者であり作家でもあったエリアーデが、戦後パリで活躍してからシカゴに移住するまでの1945〜58年の日記『エリアーデ日記(上) 旅と思索と人』は扱う内容も登場人物もじつに多岐にわたるのですが、中でも何度か現れる覚醒夢をめぐる記述や、自身の癌への疑惑によって一気に増してくる死の予感などが実に生々しく鬼気迫るものがあります。例えば、  「またもやあの奇妙な夢。荒涼とした悲しみの感情しか想い出せない。悲しみは全面的で透明だったから、眠りの深みのうちにあっても私の全存在が涙のうちに汲み尽くされるように思えた」  こうした美しい一節に出会ったかと思えば、次のような極めて冷静な考察も顔を覗かせます。  「<未開>人も、文明人と同様、デーモン的ディオニュソス的力や、異常な感動を誘う見世物的神像の方を好んでいる。人間はこれらの聖なる力がいずれも自分を助けることができないと確信した時にしか<神>を思い出さない。要するに古代的世界でも人は絶望を通してしか神に達しないのである。」  こうした傾向は今日ますます広く一般の人々において強まっているのではないでしょうか。著者は自身の魂の叫びとしてこう語ってもいます。  「私は繰り返される失敗、苦難、憂鬱、絶望が、ことばの具体的で直接的な意味での<地獄下り>を表していることを明晰な意志の努力によって理解し、それらを乗り越えうる者でありたい、と念じている。」  しかし果たしてそんなことが可能なのでしょうか。著者は先の記述に続けて、「人は自分が実際に地獄の迷宮中で迷っているのだと悟ればすぐ、ずっと以前に失ったと思い込んでいた精神の力が、新たに十倍になるのを感じるのだ」とも書いていますが、こればかりは実際に同じ境遇に立ってみなければ分からないでしょう。  その意味で、今期のてんびん座であれば、エリアーデのいう新鮮な復活ないし再誕を体験していくことができるかも知れません。いつも以上に、見た夢の内容に注意深く意識を向けてみてください。  参考:M・エリアーデ、石井忠厚訳『エリアーデ日記(上) 旅と思索と人』(未来社) 《蠍座(さそり座)》(10/24〜11/22)今期のさそり座のキーワードは、「波でなく、永久運動」。 現代においても、来世とか輪廻転生といった死生観をなんとなく信じている人は意外と多い。というより、統計数理研究所が5年ごとに実施している「日本人の国民性調査」などを見ると、1958年には「あの世」を信じる人が全世代平均で20%だったのに対し、2008年の調査結果では38%と2倍近くに増えています。  特に20歳代に関しては13%から49%と4倍近くに増えており、他の調査などを見ても、こうした傾向は多くの死者が出た2011年の東日本大震災以降ますます強まっているように見受けられます。  ところで、こうした死後の生について一生懸命考えていた人のひとりに、ドストエフスキーと並ぶ19世紀ロシアの大作家トルストイがいます。永年にわたる苦悩と煩悶の末に達した考察について記した『人生論』では、例えば次のように語っています。  「人間は、自分の生が一つの波ではなく、永久運動であることを、永久運動が一つの波の高まりとしてこの生となって発現したにすぎぬことを、理解したときにはじめて、自分の不死を信じるのである」  これは一昔前に有名になった、個々の生命あるいは種はそれぞれが独立していながら相互に依存/共生しながらひとつの広大で複雑な潮流として進化してきたというライアル・ワトソンの「生命潮流」にも似た考え方ですが、少なくともトルストイは「死とは迷信であり、人々の生命はこの世では終わらない」という強い信念を持っていたことは確かなようです。  ふつう人の死後に残るのはその人に対する思い出であると考えられていますが、トルストイいわく、愛をもって生命的に生きた人間についての思い出は、単なる観念ではなく、死後もその相手がわれわれに対して生きていた時と同じように作用してくる。いや、世界に対して作られた新しい関係によって、その働きはより一層強くなりさえするのだ、と。  今期のさそり座もまた、ふだん自身がどれだけ生命的に生きているか、つまりここで「永久運動」と呼ばれたものにどれだけ積極的に参加できているかが、改めて浮き彫りにされていくでしょう。  参考:トルストイ、原卓也訳『人生論』(新潮文庫) 《射手座(いて座)》(11/23〜12/21)今期のいて座のキーワードは、「複相的な地層の堪能」。 どこか遠く離れた異国の地に、見た目も性格も何もかもが違うのに、もう一人の自分と言えるような人物が今も息をして、彼彼女なりの生活を営んでいるのではないか―。  そんな思いに駆られた時は、直接行って確かめる代わりに、ロレンス・ダレルの『アレクサンドリア四重奏』のような作品を読むといいかも知れません。  物語は4つの作品に分かれており、『ジュスティーヌ』『バルタザール』『マウントオリーヴ』『クレア』という登場人物の名を冠し、ほとんど出来事の説明がないままに複相的に連続する連続作として展開していきます。  舞台となるのは、カイロに次ぐエジプト第二の都市で、かのアレクサンドロス大王が作ったとされるアレクサンドリア。  まず最初に案内してくれるのは、虚栄心の強い女神のようなジュスティーヌ。浅黒い肌に白いドレスが映えるアレクサンドリア社交界の申し子。また、そんな人妻ジュスティーヌとは真逆の存在とさえ言える、おだやかで孤独な芸術家のクレア。それから、「とても美しい低温のしわがれ声」と黄色いヤギのような目とひどく不格好な手の持ち主バルタザール。そして、学校の教師を務めながら、彼女たちと次々に恋に落ちる語り手のダーリー。  あるいは、彼らからすこし時代を遡って、エジプトへと派遣された将来を嘱望される若き外交官マウントオリーヴという人物も見過ごせない。彼らのうち一人が欠けても、四重奏としての物語は成立しないのです。  著者ダレルの考えでは、人の性格は生まれた土地によって形づくられますが、それ以上に人がその場所に性格を与えるのだとも言います。その意味で、この作品を読むことは、彼ら登場人物と町とが相互に折り重なってこそ作りあげられるアレクサンドリアの複雑な層を堪能するに等しく、そうでなければ、例えば誰が自分に近しい存在かなどは分かりっこないのです。  今期のいて座もまた、相互に複雑な影響を与えあう、人と町、町と町、そして人と人との複雑な連関についてよくよく思いを馳せていくことになっていくことでしょう。  参考:ロレンス・ダレル、高松雄一訳『アレキサンドリア四重奏』(河出書房新社) 《山羊座(やぎ座)》(12/22〜1/19)今期のやぎ座のキーワードは、「いのちに触れる」。 「いのちにふれるというのは、乱れている相手を自分の内部に取り込むことだ」  そう語るのは、伝説的な生け花作家・中川幸夫。  彼がその名を轟かせた作品に『花坊主』(1973)があります。真っ赤なカーネーション900本の花をむしり、それをまるでうつ伏せになった女体の下半身のような形をした大きなガラス壺に一週間詰めておくと、花は窒息するのだそうです。  そして腐乱したその赤い花肉を詰め込んだ壺を、真っ白なぶ厚い和紙の上にどんと逆さに置く。鮮血のような花の液が、じわりじわりと滲み出してゆく。そんな狂おしい光景。  哲学者の鷲田清一が「ホスピタブル」なケアの現場をフィールドワークして綴った『<弱さ>の力』には、さらに次のような中川とのやり取りが記されています。  「お花を恨んだことってないですか?」 「ふふふ。恨むというよりは……言うことを聞いてくれませんしね」 「女のひとくらい、やっぱりむずかしいんでしょうか」 「そりゃ、もう、なんですなあ、なんとも言えないけれど」  中川を扱った章の表紙には、「血に染まる」「花と刺し違える八十二歳」とありますが、「癒す/癒される」という関係性も、彼にとっては「食う/食い破られる」といったものに近く、少なくともどちらかが一方的に関わって無傷でいられるようなものではないのでしょう。  その意味で今期のやぎ座もまた、もはや黙って素通りすることは許されない、徹底的に関わらざるを得ない何か誰かについて、改めて覚悟を深めていくことがテーマとなっていきそうです。  参考:鷲田清一『<弱さ>の力』(講談社学術文庫) 《水瓶座(みずがめ座)》(1/20〜2/18)今期のみずがめ座のキーワードは、「祖先のこころが宿る場所」。 赤ちゃんが生まれた時、親や親戚、友人一同が見舞いに来て、まずいう言葉は昔も今も変わっていない。 「この子はお父さん似だ、鼻がそっくり」とか「目はおばあちゃん似だね」といった言葉である。  これは言う方も聞く方もあまりに日常的なことなので、少しも特別なことだと思わない訳ですが、実はそうではないのだと、長年にわたり民話の採録・再話に取り組んできた松谷みよ子は言います。  「こうした言葉ほど、ひとりの赤ちゃんの生命が連綿と祖先から受け継がれたものであることを語っている言葉はない。そして母の腕に抱かれ、ここはじいちゃんにんどころとあやされて育った子は、自分でも知らないうちに、生命の重みを知るのではなかろうか。」  戦後児童文学の開拓者でもあった彼女は、著書『民話の世界』(1974)の中で、子守歌や民話が語り継がれていくことの大切さについて、次のようにも言及しています。  「じいちゃんがあり、ばあちゃんがあり、とうちゃんがあり、かあちゃんがあり、姉ちゃんもいて、そして自分が存在するということ、木の股から生まれたのではないということ、良くも悪くも受け継がれた血をからだの中に持っているということを知るのではないだろうか。」  今ではすっかり歌って遊ぶ子供も少なくなってしまった「わらべ唄」が大切なのは、そこに「受け継がれていく生命の重みとして受けとめてきた、私たちの祖先のこころ」があるからに他ならないのだ、と。  一方で、ことばが“乱れ”ているという言論が飛び交い、米大統領選でトランプが選出された2016年には英国・オックスフォード英語辞典が「Word Of The Year(その年を象徴する言葉)」に「ポスト・トゥルース」を選んだことも記憶に新しい現代世界において、こうした「語り継がれてきた言葉の重み」やそこから言葉を発していくことはますます難しくなっているように思います。  そんな中、今期のみずがめ座にとって、自身の日常に埋没し、その価値や重みがすっかり見過ごされてしまうようになった「祖先のこころが宿る場所」としての言葉や語りを、改めて再発見していくことが一つのテーマとなっていくでしょう。  参考:松谷みよ子『民話の世界』(講談社学術文庫) 《魚座(うお座)》(2/19〜3/20)今期のうお座のキーワードは、「流動」。 宗教学者の中沢新一が長年研究してきた明治の生んだ稀代の博物学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)についての講演をまとめた『熊楠の星の時間』を読んでいると、熊楠という破格のスケールの人物の持ち得た思想や活動を追いかけていくことで、そこに「東洋人の思想の原型」を見出そうという氏の野心的試みが平易な文体から浮かび上がってきます。  例えば、「南方マンダラ」と命名した熊楠流の学問の方法論について、著者は次のように記しています。  「事物には「潜在性の状態」と「現実化した状態」との二つの様態があって、現実化している事実もじつは潜在性の状態にある事実を介して、お互いにつながりあっています。そのため現実化した事実だけを集めて因果関係を示してみせたとしても、それは不完全な世界理解しかもたらさない、というのが熊楠の考えでした。」  これは何も粘菌や華厳経など、熊楠が学問をしていく上で関わったものに関係しているだけでなく、今日のエコロジー思想を先取りしていた神社合祀反対運動や霊魂についての考え、彼がその身をもって生きたセクソロジー、男色、ふたなり(半陰陽)なども含めての言及でしょう。  「事物や記号はいったん潜在空間にダイビングしていく見えない回路を介して、お互い関連しあっています。そして潜在空間ではあらゆるものが自由な結合をおこなう可能性を持って流動しています。」  そう、この「流動」をダイナミックに展開されていく姿こそが、熊楠が顕微鏡の粘菌を通して見出していったいきいきとしたビジョンであり、新自由主義的な思考に慣れきってしまった現代人が見失いつつあるこの世界の実相なのではないでしょうか。  今期のうお座もまた、これまでの自分の仕事や活動を支えてきた世界観を別の方向へとシフトさせていく上で、改めて自分なりの"オルタナティブ”な思想を模索していくといいでしょう。  参考:中沢新一『熊楠の星の時間』(講談社現代メチエ) <プロフィール>應義塾大学哲学科卒。卒業後は某ベンチャーにて営業職を経て、現在西洋占星術師として活躍。英国占星術協会所属。古代哲学の研究を基礎とし、独自にカスタマイズした緻密かつ論理的なリーディングが持ち味。--------占いの関連記事もチェック--------ルネ・ヴァン・ダール研究所のMORE HAPPY 占い(無料)365日お誕生日占い(無料)文/SUGAR イラスト/チヤキ
  • 「食べること命♡」な佐藤栞里が、全国各地から食べたいものをお取り寄せして食べまくるくいしんぼう連載。今回は、岩手県から厳選した3品をいただきまーす!「かけあしの会」の瓶ドン宮古観光文化交流協会が中心となり、“見て、盛って、食べる体験型海鮮丼”として考案した「瓶ドン」。岩手県産の新鮮なウニ、イクラ、タコ、めかぶなどの海鮮を、牛乳瓶に詰めて急速冷凍。贈り物に最適!「瓶ドン川秀3本セット(ウニイクラ、イカ、タコ)」¥4445DATA■https://store.shopping.yahoo.co.jp/kakeashinokai/●購入、お問い合わせ方法などはすべてサイト上にて確認ふたを開けた瞬間に潮風が! 憧れの漁師メシをおうちで♪「牛乳瓶に詰まった、キラキラの海鮮は眼福♡ どれを食べるか悩んでいると、『いいウニがとれたから食べてきな!』という漁師さんの声が聞こえたので(妄想)、ウニが入った一本をご飯にドン。プチッと弾けるイクラ、歯ごたえ抜群のウニ、ちゅるちゅるのめかぶを一気にかき込む。うんまぁああ。新・鮮! 贅沢な朝ごはん用に冷凍庫に忍ばせたい」(佐藤栞里、以下同)「石黒農場」のほろほろ鳥水炊きセット飼育が難しいほろほろ鳥の専門農家が手がける鍋セットには、ガラスープ、コラーゲンキューブ、生手羽元、金油が入っている。そのまま水炊きに、お好みの具材と合わせて寄せ鍋にして、ポン酢でいただいても。「ほろほろ鳥水炊きセット(2〜3人用)」¥3241DATA♦岩手県花巻市台1の363☎0198・27・2521休/G.W.、お盆、年末年始■https://ishikuro-farm.com/雑念がスーーーッと消えていく清らかなる黄金のスープに完敗「まずは、澄んだ黄金色のスープから。スーーッとのどを通り過ぎると同時に、心身が清らかになっていく感覚が。口の中でホロッとほどける軟らかな手羽元も、うまみが詰まっていて美味! シメに、雑炊やうどんを楽しむのもよさそう。この冬は鍋パ開催決定☆」「白龍」の盛岡じゃじゃめん盛岡じゃじゃめんの発祥店。平打ち麺に特製みそを混ぜあわせ、お好みできゅうり、しょうが、ラー油などを加える。食べきる前に、器にゆで汁と溶き卵を入れて「ちーたんたん」を作って。「盛岡じゃじゃめん2食パックセット」¥1210(税込み)DATA♦岩手県盛岡市内丸5の15(本店)☎0196・24・22479:00〜21:00(日曜11:30〜19:00)休/お盆、年始■http://www.pairon.iwate.jp食べても食べても飽きがこない! 何段階も楽しめるなんて最高☆「秘伝の肉みそにからまった、モチちゅる麺をズズズッと。激うまっ! ラー油を足してピリ辛に、お酢でさっぱり、おろしにんにくでガツッと食べるのも◎。食べる手が止まらないや。最後に、ゆで汁と溶き卵で作る『ちーたんたん』が、コレまたたまんないねぇ」▶▶これまでの「佐藤栞里のちょっと取り寄せて食べてみ!?」はここからチェック! ♡最新号の試し読み・電子版の購入はこちら♡ 撮影/田村昌裕(FREAKS) ヘア&メイク/野口由佳(ROI) スタイリスト/河野亜紀(インテリア) 石黒裕紀(フード) 取材・原文/佐藤栞里 海渡理恵 構成・企画/福井小夜子(MORE) ●掲載価格はお取り寄せした際の価格で、別途送料がかかる場合があります。
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