俳優の吉沢亮が毎回ゲストを迎え、お酒を片手にトークを繰り広げる人気連載。
第7回のゲストは、吉沢さんのフォトブックやカレンダーの撮影を手がけたNY在住の写真家、ジミ・フランクリンさん。本誌では書ききれなかったエピソードを、ウェブサイト限定でお届けします
たくさん飲めてラッキー⁉
ジミ 今日撮影したお店、「BLOODY ANGLE」という名前だけど、ニューヨークで亮くんと初めて会って、ご飯を食べに行ったところ覚えてる? チャイナタウンの。
吉沢 覚えてますよ。すごくおいしかったです。
ジミ あのレストランのある通りがドイヤーズ・ストリートというんだけど、その途中の一角が通称“BLOODY ANGLE”と呼ばれているところで、このお店の名前もそこから取ったんだって。
吉沢 へぇー、どういう意味なんですか?
ジミ あのあたりは昔、チャイニーズ・マフィアの抗争がよくあって、人がたくさん死んでいるから、“BLOODY ANGLE(血塗られた角)” と呼ばれるようになったみたい。でも、最近はおしゃれなバーやレストランができて、ニューヨークでも有数の人気エリアになってる。
吉沢 たしかに面白いところでした。ご飯を食べて、そのあとに行ったバーが薬局みたいな感じで、中がまた暗くて、洒落てましたね。
ジミ 1920年代から30年代の禁酒法時代のバーをスピークイージーというんだけど、そのスタイルを真似するのが最近流行っているんだよね。当時はバーの経営が違法で、どこも暗く隠れた場所にあったから、あのバーもそれを真似して暗い感じになっているんだと思う。
吉沢 雰囲気はすごくおしゃれだったんですけど、お酒がすごいまずかった(笑)。まずいというか、何かヘンなものが入っているんですよ。
ジミ 辛いカクテルがあったり。
吉沢 そう。イカスミとか薬草とか、飲んだことがないようなお酒がいっぱいありました。僕はダメでしたね。
ジミ せっかく頼んだのに、亮くんがまずいと言って飲まないから、結局俺が飲んだんだよね。俺はけっこう好きだから、いっぱい飲めてラッキーだった。
吉沢 あの味でよく飲めますよね(笑)。
ジミ フォトブックでは、ニューヨークのほかに、沖縄、京都、香港と旅したけど、亮くんはどこが印象に残ってる?
吉沢 ニューヨークでコニーアイランドに行って、遊園地が閉まっていたときはラッキーって思いました(笑)。
ジミ 絶叫系ダメだもんね。
吉沢 ダメなのに、すごく乗せようとしていたから、閉まっていて本当にラッキーでした。
ジミ 俺が印象に残っているのは香港で行った食堂かな。
吉沢 あの並んで入ったところですか。
ジミ そう。すごい行列だったから、おいしいんだろうと思って並んで入ったんだけど、席がバラバラになって亮くんだけ1人で離れて座ることになったんだよね。知らない人に挟まれて座っている感じがよくて、その写真はフォトブックでも使ってる。
吉沢 隣の女の人が話しかけてきてくれて、拙い英語で会話をしてましたよ。しかも、あんなに並んだのに、おいしくなかったというね……(笑)。
ジミ そうそう(笑)。インスタント麺にトマトと卵が載っていて、香港ではよく食べられているメニューみたいだけど、何かヘンな味だったよね。
PROFILE
よしざわ りょう●1994年、東京都生まれ。2018年は8 本の映画に出演するなど、大活躍。’19年1月6 日にはフジテレビ開局60周年特別企画「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」、4 月からはNHK連続テレビ小説「なつぞら」の放送が控えている。
(吉沢さん)シャツ¥21,000/DIGAWEL 2(DIGAWEL) パンツ¥42,000/ジェムプロジェクター(コモン スウェーデン)
ジミ フランクリン●NYを拠点に活動する写真家。吉沢亮とのコラボレーションも多く、フォトブック『One day off』(ワニブックス)をはじめ、「2018.4→2019.3 カレンダー」や吉沢さん主演ドラマ「GIVER 復讐の贈与者」のメインビジュアルなども手がける。
SOURCE:SPUR 2018年10月号「いま一番気になる人と待ち合わせ 吉沢亮のSee you in a Bar」
interview & text:Masayuki Sawada photography:Daisuke Mizushima〈D-CORD〉 styling:Daisuke Araki(Ryo Yoshizawa) hair & make-up:Masanori Kobayashi〈SHIMA〉(Ryo Yoshizawa)