「飛び込み王子」トーマス・デーリー選手、摂食障害に悩まされていた過去を告白

SPUR.JP

プールサイドで編み物に勤しむ姿が可愛いと一躍人気者になった、イギリスの高飛び込み選手トーマス・デーリー(27)。「飛び込み王子」「編み物王子」などの愛称で親しまれ、SNSではとびきりの笑顔を放つトーマスだが、かつて摂食障害に悩まされていたことを明かした。

Photo:Getty Images
Photo:Getty Images

先日、イギリスの新聞『ガーディアン』の取材に応じたトーマス。

2012年頃、僕は食べた物を吐いて、毎日体重を測っていた。僕と食べ物、そしてボディイメージの関係はとても奇妙なものだった」と語り、過食症だったことや、ボディイメージによる不安を告白した。

Photo:Instagram(tomdaley)
Photo:Instagram(tomdaley)

当時を振り返り、トーマスは自身の行動を「軽度の摂食障害だと思う」と分析。そして「男性は摂食障害にならないと思われることが多いし、それを明かすのはとても難しい。でも僕は、ボディイメージや食べること、そして食べたことに対して罪悪感や恥ずかしさを感じることに、とても悩まされてきたんだ」と、男性として摂食障害を患うことの困難を明かした。

Photo:Instagram(tomdaley)
Photo:Instagram(tomdaley)

続けて、「多くの人はアスリートに対して、“何を言っているんだ? アスリートだし、体型も整っているし、何も心配することはないじゃないか”と言う。でも、特に飛び込みの選手は水着姿で飛び込み台に上がって、人から全身を見られる。自分の体型に満足するのは、かなり難しいことだと思う」と話したトーマス。

いい演技をするために体重を減らすようプレッシャーをかけられた経験も明かし、「僕のボディイメージの問題は、スポーツで生じたもの」と断言した。

Photo:Instagram(tomdaley)
Photo:Instagram(tomdaley)

そんなトーマスは、自叙伝『Coming Up for Air(原題)』を出版予定。競技のことや自身のセクシュアリティ、また一児の父としての家庭生活について明かしているそう。

Photo:Instagram(tomdaley)
Photo:Instagram(tomdaley)

東京オリンピックでは念願の金メダルを獲得。プライベートでは愛する夫と子どもに囲まれ、一見順風満帆な人生を送ってきたように見えるトーマス選手。笑顔の影に悩んできた過去があったという彼の告白は、同じ悩みを持つ世界中の人に勇気を与えたはず。

>>「編み物王子」トーマス・デーリー選手の新作ニットに世界がどよめく! ハリー・スタイルズのカーディガンを見事に再現

>>東京オリンピックの祝賀会は12時間超え! 「飛び込み王子」トーマス・デーリー選手、盛大なパーティの様子を公開

text:Saki Wakamiya

関連記事
  • アラフィー女性に読んでほしい、文芸評論家・斎藤美奈子さんのおすすめ本。今回は、入国管理制度の理不尽さを描いた中島京子著『やさしい猫』をピックアップ。入管法の仕組みも勉強できると連載中から話題を呼んだ読売新聞連載小説。斎藤美奈子 さいとう みなこ●文芸評論家。編集者を経て’94年『妊娠小説』でデビュー。その後、新聞や雑誌での文芸評論や書評などを執筆。『名作うしろ読み』『ニッポン沈没』『文庫解説ワンダーランド』『中古典のすすめ』『忖度しません』ほか著書多数。近著に『挑発する少女小説』(河出新書)。『やさしい猫』中島京子 中央公論新社 ¥2,090 スリランカ出身の青年と出会って結婚した母。ふたりの結婚を歓迎し、自然と家族になった娘。ところが3人の前に出入国管理法の壁が立ちはだかる。クマさんと同胞のペレラさん、マヤの幼なじみナオキ、自身は日本で生まれるも父母はトルコから来たクルド難民の少年ハヤトなど、多彩な人物が登場。入管法の仕組みも勉強できる。連載中から話題を呼んだ読売新聞連載小説。タイトルの「やさしい猫」はスリランカの民話に由来する。なぜ素朴な願いはかなわない? 入国管理制度の理不尽さを描く国際結婚や国境を超えた恋愛を描いた小説はままあれど、その背後に潜む制度の問題にまで踏み込んだ作品は……これまでにあったかな。中島京子『やさしい猫』は、あるファミリーを題材に、日本の入国管理制度の理不尽さを静かに告発した小説だ。 語り手の「わたし」ことマヤはそのころ小学3年生だった。3歳で父を亡くし、小さなアパートで母とふたりで暮らしてきた。 母のミユキは保育士だ。その母が震災のボランティアに赴いた東北で、やはりボランティアに来ていたひとりの若い男性と知りあった。スリランカ出身の「クマさん」ことクマラ。ミユキの8歳下で自動車の整備工である。18歳で来日し、日本語学校と専門学校で学んだあと、就職したという。 1年後にふたりは再会。マヤも含めた3人はしだいに距離を縮めていく。ミユキが緊急入院した際マヤの面倒を見てくれたのもクマさんで、母娘と外国から来た青年はひとつ屋根の下で家族のように暮らしはじめる。出会って6年、マヤが中学3年になった’17年12月、2人は婚姻届を出した。 ところが思わぬ事件が3人をおそう。9月に在留期間が切れていたため、クマさんが品川の東京入国管理局に収容されたのだ。このままではスリランカに強制送還されてしまう。なんで~!? 家族3人で暮らしたいという素朴な願いがなぜかなえられないの? ミユキもマヤもよくわかっていなかったのだ。在留期限を過ぎたオーバーステイの外国人は退去強制処分となり、5年間は再入国できないこと。帰国を拒めば入管の施設に収容されて、自由を奪われること。一時帰宅を求める仮放免申請を出しても、いつ入管を出られるかわからないこと。 こういうことって、わが身にふりかかってこないと、ほんと、わからない。ミユキと婚姻届を出したクマさんは「配偶者ビザ」を取得し、永住資格を得られたはずだった。しかし入管の審理官は冷たく言い放った。〈彼がオーバーステイになってから結婚してる。配偶者ビザを彼にあげようと思ったんじゃないの?〉。偽装結婚だろうというのである。 その日から、母と娘の戦いが始まった。入管に通ってクマさんを励まし、仮放免の申請をし、勝率1%とされる不服申し立て裁判のために弁護士と相談し……。 マヤと親しくなった、クルド難民を両親にもつ少年はいう。 〈オレはいろいろ知ってるけど、言わない。だって、マヤ、父ちゃんのことが心配になっちゃうだろ。オレは兄貴や親父が収容されたとき、心配で気が狂いそうだった〉 果たして3人はもとの平穏な日常を取り戻すことができるのか。スリリングな法定闘争を含むラストまで目が離せない。 あわせて読みたい!『小さいおうち』 中島京子  文春文庫 ¥715 昭和の初期、タキは平井家の女中になった。主(あるじ)は玩具メーカーの重役だったが、この家の奥さまには大きな秘密があった。山田洋次監督の映画はベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞。作者を一躍有名にした’10年の直木賞受賞作。『ルポ 入管』 平野雄吾  ちくま新書 ¥1,034 日本に住む外国人は出入国管理法に縛られている。が、不法滞在者らを収容する入管施設の裏側は知られていない。暴力が横行する密室の支配。長期化する収容期間。国際的にも問題視されている日本の入管の非人道的な実態を検証したルポ。>>斎藤美奈子さんのおすすめ本原文/斎藤美奈子 ※エクラ2021年11月号掲載
  • がむしゃらに自分をつらぬいて頑張るすべての人に贈る「喜びに溢れた作品」公開前から注目を浴びている映画『ビルド・ア・ガール』は、文才と想像力を武器に大人社会に飛び込んだ高校生・ジョアンナが、失敗や挑戦を繰り返しながら、がむしゃらに成長していく青春ストーリー。本作を「喜びに溢れた作品」と語るコーキー・ギェドロイツ監督のインタビューが届きました。このインタビューを通して、この映画の魅力を深く探ってみて!コーキー・ギェドロイツ監督 プロフィールBBC ドラマ「The Virgin Queen」(2005)でエミー賞国際部門と英国アカデミー賞にノミネートされ、「THE HOUR 裏切りのニュース」(2011) ではエミー賞、並びに、ゴールデングローブ賞の監督賞候補に。2016 年、カーラ・トイントン、アレクサンダー・アームストロング主演の「The Sound of Music Live」で英国アカデミー賞最優秀監督賞を獲得。2017 年のHulu ドラマ「Harlots/ハーロッツ 快楽の代償」がイギリスで大ヒットなど話題作を次々と担当してきたほか、「The Killing ~闇に眠る少女~」(2011~)、「ペニー・ドレッドフル ~ナイトメア 血塗られた秘密~」(2014~)、ナオミ・ワッツとビリー・クラダップが共演したNetflix ドラマ「ジプシー」(2017)、Netflix ドラマ「運命の7 秒」(2018)などを手がけ、本作で初の長編映画作品の監督を務めた。あらすじ1993年、イギリス郊外に家族7人で暮らすジョアンナは、底なしの想像力と文才に長けた16歳の高校生。だが学校では冴えない子扱い。そんな悶々とした日々を変えたい彼女は、大手音楽情報誌「D&ME」のライターに応募。単身で大都会ロンドンへ乗り込み、仕事を手に入れることに成功する。だが取材で出会ったロック・スターのジョンに夢中になってしまい、冷静な記事を書けずに大失敗。編集部のアドバイスにより“嫌われ者”の辛口批評家として再び音楽業界に返り咲くジョアンナ。過激な毒舌記事を書きまくる“ドリー・ワイルド”へと変身した彼女の人気が爆発するが、徐々に自分の心を見失っていき……。コーキー・ギェドロイツ監督インタビューこの映画についてコーキー・ギェドロイツ監督(以下、監督)「『ビルド・ア・ガール』は華やかな青春映画で、ウルヴァーハンプトン出身の女の子が自力で貧困から抜け出し、素晴らしいものを生み出していく姿を描いている。喜びに溢れた作品だわ。キャトリン・モランのクレイジーなマニフェスト、笑い、ギャグ、狂気、そして道義心が詰まっているのよ。同時に、本当に重要なストーリーを若い女の子たちに直接語りかけている。そこが原作者であるキャトリン・モランの素晴らしさね。彼女ならではの率直さで、『どんなに悪いことが起きても、どんなに混乱しても、きっと大丈夫。自分を再構築し、何かを生み出し、別の方法で自分を作り上げることができるのよ』と訴えかけている。私にとって、それこそが2年半の間ずっと取り組んできたこの映画のメッセージであり、物語なの」“この映画の重要なテーマは、こうなりたいと熱望する自分になるための勇気や、本当にすべてがうまくいくという喜びに満ちた熱意”映画のテーマについて監督「この映画の重要なテーマは、こうなりたいと熱望する自分になるための勇気や、本当にすべてがうまくいくという喜びに満ちた熱意ね。主人公がとんでもない大失敗をしでかすように見えても、実際には、どんなに悪い状況になっても彼女を破滅させることはないの。この作品にはすごく明確なテーマがある。決して育ちが良くなくても、頭脳と熱いハートがあれば、そこから抜け出して新しいものを生み出し、自分を作り変えることができるということ。これが大きなテーマだと思うわ。それに、それが大人になるということでもある。私は、彼女がセックスをしても苦しまないという点も気に入っている。多くの映画では、若い女性がセックスをすると子供を産むか、病気になるか、死んでしまうか、確実に苦しむことになる。でも、彼女は違う。自分のものにして、罰せられることもないの」ストーリーについて監督「ティーンエイジャーなら誰でも、自分なりのバージョンのジョアンナがいて共感できると思う。私の場合はキャトリンと正反対で、彼女が陽ならまさに陰のような存在だった。物静かで、内向的で、シャイで、ちょっとゴスも入っていた。厳格なカトリックの両親に育てられて、私なりの苦労もあったわ。私の部屋の壁にもヒーローがいて、自分が育った郊外から飛び出して、何か突飛なことをしたいという夢を持っていた。父は私に期待していたのは結婚することだけで、映画を作るなんて考えてもいなかった。親戚にも、ショービジネスの世界の近くにいる人すらいなかったくらいだから。だから私は、どんな若い女の子でも何でもできるというメッセージにとても共感しているわ。勇気を持って一歩を踏み出し、失敗を自分のものにすることができれば、チャンスは常にそこにあってあなたを待っているのよ」撮影現場でのコーキー・ギェドロイツ監督(中央)原作について監督「原作小説の『How to Build a Girl』を読んだ時、私は何度も笑ってしまったわ。陰気なゴシックガールを笑わせるなんて並大抵のことじゃないのよ。電車で読んでいたんだけど、文字通り大笑いして、涙が溢れてしまった。後でパートナーに読んでもらったら、彼も笑っていた。それを見て、『これは勝てるな』と思ったの。意地悪で、内省的で、へそ曲がりな脚本を読むことも多いんだけど、この作品は思い切り手を伸ばしている。『さあおいで。仲間になろうよ。ここにはあなたのための何かがあるよ』と訴えかけているような気がするの」原作/脚本キャトリン・モラン プロフィールイギリスのジャーナリスト、作家、テレビ司会者。15歳でイギリスの新聞「オブザーバー」紙の若者レポーター賞を受賞し、1991年に16歳で初の小説「ナルモ年代記」を出版。同年、週刊音楽雑誌「メロディ・メイカー」で歴代最年少のロック評論家として活躍し始める。17歳で、タイム紙の週刊コラムニストとなり、チャンネル4の音楽番組「ネイキッド・シティ」の司会者に抜擢される。その後25年に渡り、英国記者賞や英国雑誌編集者協会(BSME)賞など多様な賞を毎年のように受賞してきた。2011年のギャラクシー・ブリティッシュ・ブック賞最優秀図書賞を受賞した小説「女になる方法」は、これまで25か国語に翻訳され、世界的ベストセラーとなっている。2014年発表の「How to Build a Girl」(※原作)、2018年発表の続編「How to be Famous」をはともにイギリスでは発売するなり書籍販売数首位となった。“混乱や狂気、愚かさ、無意味さを内面に秘めた女性のキャラクターについての物語はほとんどない。それらはすべて成長の一部だというのに”作品作りについて監督「まず言っておきたいのは、私はこの仕事を25年、30年近く続けているということ。だから、自分が作った映画やテレビ番組にひどく退屈してしまう気持ちもわかっている。そういう作品にもそれなりの価値はあるけど、99回目に観る頃には、文字通りうんざりして放り出したくなってしまう。実際、自分の作品を編集していて寝てしまったこともあるわ。でも、この映画は観るたびに何か新しい発見や笑いがある。どういうわけか、観るたびに作品そのものが新しく生まれ変わっているような気がするの。なぜだかはわからないけど、すごく新鮮な気分になるわ。思わず笑ってしまうような場面もある。その一つが、彼女の父親のパットが子供たちを待っているシーンね。子供たちが学校から帰ってきた時、父親は悪ガキのカール・ボーデンが娘をいじめているのを目撃する。父はカール・ボーデンに向かって 『お前、カール・ボーデンだよな?』と言う。『ああ、それがどうした?』『72年にお前のおふくろとヤッたんだ。よろしく言っておいてくれ』。いつ見ても惚れ惚れするわ」女性キャラクターのタブーについて監督「問題は、壁があまりにも強固なことね。混乱や狂気、愚かさ、無意味さを内面に秘めた女性のキャラクターについての物語はほとんどない。それらはすべて成長の一部だというのに。あまりにも少ないから、率直に言ってタブーになっていたんだと思う。そういう作品がこれまでまったくないから。でも、状況は変わろうとしている。2019年になって、状況が変わりつつあると心から思うわ。人々は、10代の女の子がどんな感じなのかを知りたがっているの。確かに、彼女がジムでフリップや宙返りをする時に生理用品のタオルが飛び出すのは笑えるわね。つまり、男の子を描いた他の映画では、これまでずっとタブーを打ち破るようなクレイジーなことが描かれてきた。同じことが女の子にも必要なの。私たちにとって、タブーを破ることは難しくなかった。なぜなら、率直に言ってこういう物語が今までに語られたことがないから。すべてが新しいの」“へまをしたって、悲惨な経験をしたって、悲惨なものを生み出したって、自分をもう一度作り変えることができる。立て直すことができる”この映画を観てほしい人は監督「この映画は、多くの人に語りかける作品だわ。今まさに10代を生きている15歳、16歳の女の子たちは、スクリーンに大げさなバージョンの自分を見ることになる。それに、90年代を生きていた彼女たちの母親世代にとっても、自分たちが16歳だった頃のことを懐かしく思い出させてくれるはずだわ。この映画を観た後、私のところに来て、涙を流していた男性がいた。彼はパット役のパディと娘のジョアンナの関係に感動していたの。2人は信じられないほど親密で、時にはいがみ合ったりもするけど、とても愛情に満ちた関係にある。それは、見る人も理解できるはずだわ。この映画は、笑いを通して語られる真実の物語であり、決してのぞき見趣味的なものではない。観客が彼女と一緒に旅をしているように、彼女の肩に乗って物語を生きることができるようにすることが、私にとっては大きなチャレンジだったわ」この映画に込めたメッセージ監督「私はこの作品を、自分に自信が持てない若い女の子たちに語りかけるようなものにしたいと熱望していた。この作品はキャトリンのメッセージを映画化したようなもので、『へまをしたって、悲惨な経験をしたって、悲惨なものを生み出したって、自分をもう一度作り変えることができる。立て直すことができる』と訴えかけているの。正直に言うと、私もこの言葉のおかげでここまでやってこれた。なぜなら、このような作品は今まで存在しなかったから。だからこそ、撮影でへとへとに疲れたり、ストレスがたまっていても、作品を成功させるために信じられないほど努力することができたの。それだけのことをする価値があると本当に思えたの。正直、それができただけでも満足している。うまくいくことを願っているわ」10/22(金)より全国順次ロードショー!コーキー・ギェドロイツ監督が語るように、一足先に本編を鑑賞した映画ファンからも「正直まったく他人事と思えずぐっさぐさにぶっ刺さった」、「かつて経験もしたその痛々しさにムズムズした」、「とにかく共感できて何かを変えたい気持ちと、成功と失敗またやり直しがきくってことに希望をもらった」といった共感が相次いでいるそうです。男性からも「自分と重ね合わせて泣いてしまった」と絶賛されている本作。がむしゃらに自分をつらぬいて頑張るすべての人に贈る、最高の青春エンパワーメントムービー『ビルド・ア・ガール』を、劇場でぜひ楽しんで! ●10/22(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー映画『ビルド・ア・ガール』予告映像公式サイト&SNSで最新情報をチェック公式サイト:buildagirl.jp公式Twitter:@buildagirl_jp公式Instagram:buildagirl_jp>>【関連記事】映画『ビルド・ア・ガール』、冴えない高校生が一躍スターに!© Monumental Pictures, Tango Productions, LLC, Channel Four Television Corporation, 2019 文/MORE編集部
  • 漫画を愛するライター・中川 薫がバイラ女子におすすめの漫画をピックアップ! 今回は、「少年ジャンプ+」サイトで、公開2日目で400万閲覧数を記録した話題作『ルックバック』をご紹介します。 ナビゲーター 中川 薫 漫画、酒、旅、K-POPを愛する。最近ポン酢に夢中。ポン酢しょうゆに比べ種類が少なすぎる。悩ましい。 ©藤本タツキ/集英社 藤野と京本は、漫画を描くことが好きな田舎の小学生。不登校の京本は、藤野が打ちのめされるほどに高い画力を持っているが、藤野の漫画を尊敬していた。共同で漫画を描き始めた二人は“藤野キョウ”としてデビュー。やがて京本は美大進学を目指す。別々の道を歩み始めた二人に、ある“事件”が襲いかかる。読み進めるうちに、多くの人が実在の事件を思い起こすだろう。その瞬間、物語の中にあった世界が、読み手の世界=現実につながり、彼女たちの感情が一気に流れ込んでくる。戸惑い、悲しみ、そして“描くこと”でつながっていた二人の心情までも。藤野と京本は互いの“背中を見て”高め合ってきた。嫉妬と憧れ、努力する楽しさと達成感。すべてが圧倒的な画で語りかけてくる。すごい。誰もが理不尽な現実から逃れることはできない。だが、起こってしまったことへの怒りや憎しみに振り回され続けるのは、あまりに不毛だ。“ルックバック”。過去にとらわれず、「(あの日の)背中を見て」という著者の祈りのような願いに胸が震えた。 『ルックバック』藤本タツキ著 集英社 全1巻 484円小学生の藤野と不登校の京本。彼女たちの描いた4コマ漫画が学年新聞に掲載され、交流が始まる。「少年ジャンプ+」サイトで、公開2日目で400万閲覧数を記録した話題作。 漫画好きならこれも必読! 『ひらやすみ』真造圭伍著小学館 1巻~ 650円 殺伐とした世の中にだって“安全地帯”はあるメシ友だったおばあさんから譲り受けた平屋で暮らす、青年ヒロトといとこ・なつみの優しくて、温かい日々を描く。 イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2021年10月号掲載
  • アラフィー女性に読んでほしい、文芸評論家・斎藤美奈子さんのおすすめ本。今回は、天才画家・河鍋暁斎の娘に生まれた河鍋とよの人生を描いた『星落ちて、なお』をピックアップ。日露戦争から関東大震災まで、目まぐるしく変わる時代とともに描いた今期直木賞受賞作。斎藤美奈子 さいとう みなこ●文芸評論家。編集者を経て’94年『妊娠小説』でデビュー。その後、新聞や雑誌での文芸評論や書評などを執筆。『名作うしろ読み』『ニッポン沈没』『文庫解説ワンダーランド』『中古典のすすめ』『忖度しません』ほか著書多数。最新刊は『挑発する少女小説』(河出新書)。『星落ちて、なお』澤田瞳子文藝春秋 ¥1,925妹をなにかと敵視する天才肌の異母兄。彼女の味方になろうと奮闘する父の一番弟子。彼女の画才を見込んでパトロンを買って出るも、放蕩がすぎて妻に見放される大店(おおだな)の主人。そして彼女を師と慕う次世代の女性たち。天才画家の娘に生まれた河鍋とよの人生を、日露戦争から関東大震災まで、目まぐるしく変わる時代とともに描いた今期直木賞受賞作。とよが放つベランメエ調の江戸弁も、時代の雰囲気を伝えている。河鍋暁斎の娘・とよの人生を描いた、話題の直木賞受賞作河鍋暁斎(きょうさい)といわれても、ピンとこないかもしれない。幕末から明治中期にかけて活躍した暁斎は、歌川国芳のもとで浮世絵を学び、写生を重んじる狩野派のもとで修業を積み、さらに葛飾北斎の戯画にも私淑する天才画家だった。200人を超す弟子を抱えていたというから、今風にいえば、手分けして山のような注文をこなす大手イラスト制作プロダクションの社長みたいな感じかな。澤田瞳子の今期直木賞受賞作『星落ちて、なお』はその暁斎、ではなく暁斎の娘・とよを主人公にした歴史小説だ。天才画家の娘に生まれたとよ(画号は暁翠)は、北斎の娘・応為のように、5歳から絵筆を持たされて育った。暁斎は父というよりは師で、弟も妹も絵師の卵。なかでも異母兄の周三郎(画号は暁雲)は一度養子に出されたあと、17歳で父に入門したという遅咲きの絵師ながら、父の奔放な画風を受け継いでおり、それを鼻にかけてさえいる。とよは才ある兄に羨望とも妬みともつかぬ感情を抱いていた。その偉大なる父・暁斎が59歳で没したところから物語は始まる。明治22年。時にとよは22歳。200人もいる弟子をどうするのか。プロダクションの危機である。ところが、跡取りであるはずの兄はまるで頼りにならない。病に伏せっていた父の看病から葬儀の段取り、後始末まですべて妹に任せっきり。〈親父どのが死んだ今、これ以上、客を待たせてもおけねえからな〉なぞとうそぶいて自分の仕事に没頭している。しかもその絵は当初、遊廓・角海老からとよにきた注文だった。〈あたしなら、こうは描かないよ〉と口にしたとよ。〈じゃあ、おめえは俺以上の遊女図が描けるっていうのか〉〈ああ、描けるよ。描いてやるさ〉憤慨したとよは一念発起、兄を見返すべくいよいよ画業に本腰を入れて……という展開になれば、痛快なエンターテインメントですよね。だが、現実は厳しい。とよの前に立ちはだかったのは明治という時代だった。父の偉業を受け継ごうにも自分にそれほどの才はなく、西洋画の台頭で、浮世絵や狩野派の流れをくむ河鍋家の画風はやがて時代に合わなくなる。そのうえ、近代という時代は江戸期にもまして女を型にはめたがる。とよも一度は結婚し、娘をもうけるのだが……。芸術家であり職人でもある一家の物語だから特殊な点はあるものの、はからずも家業を継いでしまった娘の苦悩という点ではほかの業種にも当てはまりそう。それでも病弱の妹や女の弟子の面倒を見たり、女子美で教鞭をとったりしながら明治大正を駆け抜けたとよの姿はたくましい。画壇のスターになれなかった江戸っ子女性は、さてどこに着地する? あわせて読みたい!『火定(かじょう)』澤田瞳子PHP文芸文庫 ¥968澤田瞳子が得意とするのは古代を舞台にした歴史小説。こちらは737年の寧楽(奈良)を舞台に、天然痘の爆発的感染を描いた’17年の直木賞候補作。コロナ禍の現代にも通じる展開に、天平のパンデミック小説として話題になった。『河鍋暁斎戯画集』山口静一 及川 茂/編岩波文庫 ¥990明治期の河鍋暁斎は風刺画の描き手としても知られ、頑迷な旧習や浅薄な文明開化を揶揄(やゆ)した作風で「反骨の絵師」とも呼ばれた。収録された多彩な戯画や挿し絵も大勢の弟子が手分けして描いていたのかも、と考えると楽しい。>>斎藤美奈子さんのおすすめ本原文/斎藤美奈子 ※エクラ2021年10月号掲載
  • 今秋に実施される第49回衆議院議員総選挙に向けて、大事な"一票"を投じるために。基本的な選挙の仕組みや制度を改めて学びたい。世代を超えてのクロストークや政治をより身近に感じる新たな視点を通していま一度その意義を考える。望む未来のために、私たちの声を届けよう >>そのアクションが未来を変える。「投票する」ということは PART 1 世代を超えて話す、政治のこと 世代が違えば政治に対する見方や思いは変わる?異なる立場の3人がいまの政治や選挙について、思うことを語り合った (左から) 長野智子さん ながの ともこ●1962年生まれ。フジテレビジョンに入社し、アナウンサーとして数々の人気番組を担当。退社後、渡米し、ニューヨーク大学大学院でメディア環境学を専攻。帰国後は報道番組を中心に活躍している。 清田隆之さん きよた たかゆき●1980年生まれ。文筆業、恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。恋愛とジェンダーをテーマにコラムなどで発信。著書に『よかれと思ってやったのに』(晶文社)や『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)など。 能條桃子さん のうじょう ももこ●1998年生まれ。一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事。『YOUTHQUAKE U30世代がつくる政治と社会の教科書』(よはく舎)を出版するなど若者の政治参加を促進する活動を展開している。 これって実は政治の問題? 私が関心を持つきっかけ 長野さん(以下、長野) 私は1985年、男女雇用機会均等法成立年に就職したんです。そのとき初めて女性アナウンサーが男性と同じ正社員になりました。この経験が自分の中でとても大きく、“女性の先輩たちが頑張ってくれたから、いま私はここにいる”と強く感じて、下の世代につなげなければと思うように。それが政治やジェンダーの意識が芽生えたきっかけです。2人は政治の関心はどこから? 能條さん(以下、能條) 私も政治には早くから興味があって、大学時代は市民の政治参加が盛んなデンマークに留学しました。最近は日本の同世代を見ても、社会に疑問を抱いている人は結構いると思います。たとえば、なぜ日本では選択的夫婦別姓や同性婚について認められないのか。これから結婚する人って20〜40代の人が多いはずなのに、70、80代の人の意見が優先されて、実現しない。制度を使いたい人が求めていることを実現するのが政治の基本だけど、日本では暴動も起きなければ、みんな粛々と生きている感じがします。 清田さん(以下、清田) 僕は恥ずかしい話、30歳を過ぎるくらいまで政治をよく知らなかったんです。ただ、学生の頃から女性の話を聞くことが多く、女性が抱える悩み、セクハラや性暴力、結婚や子育てなどの諸問題は社会制度につながっていると気づき始めて。僕は就職氷河期にあたり、いわゆる“草食男子”と呼ばれた世代で、“少子高齢化は男性が積極的にならないことが原因だ”ともいわれました。当時はそうなのかと真に受けていたんですが、経済、福祉や教育など、制度が整っていないから結婚を選べなかったり、子どもを持てない人も多いんじゃないかと。就職できない、結婚できない、子どもを持てないのも自己責任論で片づけられていたけど、違うんじゃないかって。 長野 本当にそうですよね。私は最近、超党派の女性国会議員でクオータ制を実現するための勉強会を立ち上げました。少子高齢化や労働人口の減少、福祉や年金など日本の問題はすべて政治のジェンダーギャップに通底している。女性の活躍は、男性のライフワークバランスの改善にもつながるはず。そのためには女性の政治家を増やして私たちの声を国政に届けないといけない。政治の話をするとき、若年層の投票率の低さも指摘されるけれど、これについてはどう思います? 能條 同世代の知人と選挙の話をすると「政治に詳しくない人が投票するより、ちゃんと考えてる人が行ったほうがいい」とよく聞きます。私たちの世代は18歳のときに18歳選挙権が導入されて、高校生で主権者教育を学びました。責任を持って選挙に行かなくてはならないことは知っていて、行くなら調べなきゃいけないと思っている。でも、忙しいし面倒くさいから行かない、という人が多いんじゃないかと。だから、私はU-30世代がとりあえず、自分の投票先をどこかに決められる状況をつくろうと思って、Instagramを中心に政治・社会の教科書メディアを立ち上げて運営しています。 清田 10年前の東日本大震災も政治に関心を持つきっかけになりました。当時の国の対応に対して、Twitterでいろんな意見を目にしたり、自分でも発信したり、自分主体で政治を考えるようになって。最近は同世代の男性に話を聞く機会も増えたんですけど、「男は仕事」というジェンダー規範はまだまだ根強く、目先のことで精いっぱいで「政治は偉い人がうまくやったらいいんじゃない?」と思っている印象を受けます。日々仕事で忙しく、家事は妻に任せっぱなしで、問題を問題と認識すらしていない。政治がどこか他人事というか。 長野 リスクに直面したとき、初めて自分に政治を引き寄せて考えられますよね。たとえばコロナ禍の大学生だったら、どうして大学に行けないんだろうって思うはず。理由の1つとしてワクチン接種が思い当たり、じゃあなんで若い人はワクチンがまだ打てないのか、と考える。 能條 私が留学していたデンマークでは若い人の投票率が80%を超えていたんです。そもそも選挙に行くのが当たり前という認識で社会が動いている。選挙はお祭りみたいに楽しむもので、私も友人とポップコーンを食べながら党首討論を見ていました。デンマークは比例代表制なので死票が少ないんですが、「前回、◯◯党に入れたんだけどあれはマジでなかったわ」というような会話をよくしましたね。面白おかしく自分の投票経験を話し、自身の政治観を語る言葉を持っている。 長野 素晴らしい。日本でも自分たちの投票によって政治を変えたという経験をしたいですよね。かつて2009年には政権交代を経験したけれども、結果的にはうまくいかなかった。だからといって、ここで政治を諦めてしまってはダメで、若い世代が住みやすい社会をつくるために、自分たちで政治を変えたという経験ができたらと心から思う。だから、どうしたら下の世代が政治に興味を持ってくれるのかな、といつも考えます。 自分の手で政治は変えられる。よりよい未来に向けて 清田 僕たちの世代が学校教育できちんと政治を学んでいたら、もう少し変わっていたのかなとも思うんですよね。 長野 清田さんが30代になって初めて政治に興味を持ったと言っていましたが、多くの人がそうなのかも。年を重ねるにつれ、社会との接点が増えるから、政治がおのずと身近に感じられる。 能條 確かに私たちの世代は未婚の人も多く、社会とのつながりが薄いので政治を身近に感じにくいというのはあると思います。ただ、若い世代の投票率が上がれば、政治家が若い世代のほうを向いてくれるかというと、それは緩やかな相関関係でしかないと思っていて。たとえばいまの20代の投票率が100%になっても60代には勝てない。若い世代の投票率が上がっていく過程の中で、ほかの世代の問題意識も変わっていくことが同時に成立しないと難しいんじゃないかと。 長野 確かに。でも、選挙に行かない人たちが政治に関心を持ってくれたら、政治家も変わるのではと期待もあります。 清田 それで言うと、僕よりちょっと上の世代、団塊ジュニア世代って人口が多いですよね。彼らは不況のどん底で社会に出た不遇の世代で、非正規雇用も多く、経済力も自信も主体性も持ちにくい。だから政治に対しても諦めムードといわれることも多いですが、この世代が動けば相当変わるかもしれないなって。 長野 なるほど。デンマークでは30、40代の人も政治に関心はあるんですか? 能條 労働時間が短いのでみんな時間に余裕があるんですよね。だから、世代の違いにかかわらず、政治について考える。日本はどうしても考える余裕がない。 長野 ワークライフバランスが改善されることで、政治に関心を向ける余裕もできるのは日本も学びたいですね。 能條 同世代の中には、“政治に期待できないから、自分でどうにかしなきゃ”と思う人も増えてきました。社会の中で生きるというよりも、自分と周りの人が幸せならいいよねっていう。でも、私は政治を完全に諦めると自分たちが損することになるから、やっぱり選挙は行ったほうがいいと思っています。そして、選挙に行くことはダサいことではなく、かっこいいことなんだと伝えていきたい。 清田 政治の話をするのはなんとなくタブーという風潮も変えたいですよね。 能條 そうですよね。同世代の友達と、なぜ自分たちは投票に行くようになったのかと話をすると、親や学校の先生が“選挙は大事”と話していたからかなと。選挙に行くこと、政治について語り合うことは当たり前という雰囲気づくりができたらもっと変わると思う。あと、“選挙には正解がある”と思い込みを持つ人もいるけど、投票先に正解はなく自分の価値観で決めていいということも伝えたい。 長野 それは教育の問題でもある。異なる意見もまずは認めて、その上で自分の意見を言う。そういう議論を繰り返して、よりよい答えにたどり着く。正解か不正解かの二択でつまずいている人には「いやいや、あなたの言ってることも合ってるんだよ」って言いたくなってしまいます。私はいま、日本の政治は世代交代の大事な時期に来ていると思っていて。でも、このままでは日本の未来に希望が持てない。これは政治だけの話ではなく、民間企業もメディアも含めて、過去の成功体験だけを信じて、それがいまでも通用すると思っている人がトップにい続ければ、成長が止まってしまう。だったら下の世代が舵取りをしたほうがいい。そのほうがワクワクするし、明るい社会が見えそうじゃないですか。私たちは下の世代をお手伝いする世代として、みんなで楽しい未来をつくりたいんです。 能條 そうですね。私たちの世代からも政治家が出てほしいなと思います。そういえば、私が通っていたデンマークの学校では選挙のときBBQをする習慣があるんですよ。すごく楽しくて毎日選挙がいいって思ってました。 清田 それ、最高ですね! COLUMN プチ鹿島さんに聞く「野次馬精神も大切だ!」 “硬い”“社会派”と思われがちな政治問題に軽やかにツッコみ、笑いに変える芸人のプチ鹿島さん。政治を楽しむために必要なのは“野次馬精神”だという。 「みなさんの周りにはいろんな噂話が飛び交いますよね。誰と誰がつき合ってる? 誰が昇進しそう? 僕はその野次馬精神を政治に応用しているだけなんです。政治は政策も大事ですが、政治家だって人間。政界ではいろんなドラマが繰り広げられている。韓国ドラマよりも面白い話がたくさんあるんですよ」 鹿島さんが政治を面白がるために欠かせないというのが新聞。14紙を購読し、読み比べをしている。 「なぜならいろんな角度の情報が知りたいから。僕の主観ですが、ホーム側=政権側に近いのは読売、産経。アウェー側は朝日、毎日、東京。日経新聞は基本的に中立で、政界の動向とリンクしている。1つの出来事に対しても新聞各社扱いが全然違うことがあり、面白いですね。あと、スポーツ新聞の社会面は要領よくまとまっていてとても読みやすい。ネットでも気軽に読めるのでオススメです。ちなみに日刊スポーツには『政界地獄耳』という下世話丸出しの匿名コラムがあるんですが、実際に永田町で取材して書かれている記事なので、確証の高いゴシップとして楽しめます。ウェブの記事も面白いけれど、どういう立場の人が書いてるのか? 情報ソースはどこにあるのか? と不安になることがある。その点、新聞は論調の違いはあれど、プロの記者が5W1Hの裏づけを取ってくる。事実確認として利用すればいいんです」 そして、政治のハイライトは選挙特番にアリ! とも。 「政(まつりごと)はお祭りとして楽しむのがいい。選挙特番なんて生放送の面白さが詰まっている。候補者の人生をかけた大勝負、その結果が出る瞬間に立ち会えるわけですから。自分の選挙区はもちろん、激戦区や有名人が出る区を事前に調べておくと俄然盛り上がります。しかも、僕たちはこのショーを観客として傍観するのではなく、一票を投じられるプラチナチケットを持っている。これは参加したほうが絶対に楽しいです」 プチ鹿島 ぷち かしま●お笑い芸人。1970年長野県生まれ。時事ネタと新聞読み比べを得意とする芸風で、ラジオ、テレビ多数レギュラー出演中。著書『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎)。 SOURCE:SPUR 2021年11月号「『投票する』ということは」photography: Masanori Kaneshita  illustration: Emi Ozaki edit: Mariko Uramoto
  • 今秋に実施される第49回衆議院議員総選挙に向けて、大事な"一票"を投じるために。基本的な選挙の仕組みや制度を改めて学びたい。世代を超えてのクロストークや政治をより身近に感じる新たな視点を通していま一度その意義を考える。望む未来のために、私たちの声を届けよう 希望を投じる手もとは、自分の気持ちが上がるように着飾りたい。 ブラウス¥55,000/イザベル マラン(イザベル マラン エトワール) リング(中指)¥249,700・(薬指)¥438,900/伊勢丹新宿店 本館4階 レポシ(レポシ) なぜ選挙へ行くべきなんだろう? 私たちは政治によって、体の動かし方を変えられた。そう聞くと驚くでしょうか。日本人は江戸時代まで右手と右足を同時に出して歩いていました。近代化が進み、銃を持って戦えるように、政策で手足を交互に出す西洋的な体の使い方へ変えたのです。それほど政治は大きな力で人々の体や言葉、アイデンティティにまで深く影響を与えます。 国政を司る国会議員たちは法律や制度を定めるだけでなく、私たちが納めたお金の使い道も決めます。その額は国民1人あたり収入の約3割といわれていて高額です。それなのに、生活はなかなかよくならない。社会保障や税制は男性片働き中心の制度のままで、年金制度も破綻するといわれています。女性は非正規雇用の割合も多く、子育てをしながら働くには厳しい環境があり、シングルマザーや単身高齢女性の貧困は深刻で、政治が変わらなければさらに悪化する。選挙に行かなければ、私たちの声は反映されないままなのです。自分の一票では何も変わらないと思うかもしれませんが、その一票が集まれば必ず大きな力になる。そうしてかつての女性たちは連帯し、選挙権を獲得した歴史があります。 仕事や家事、日々の生活が大変で政治について考える余裕がない、という人もいると思います。でも、それほど必死にならないと生きられないのはなぜ? 国政はいま、どこを向いているでしょうか? すべての人に関わることを考えるのが政治の役割です。そして、その民意を反映する人を選ぶのが選挙です。 私たちの話を聞いてくれる政治家はいます。1人で苦しさを抱え、生きづらいと思っても諦めず、一緒に解決してくれそうな人、政党に思いを届けてください。それすら放棄して、一票を大切にできないのは自分を大事にできないことと同じ。私たちはもっと自分を慈しめるし、投票によって声を上げられます。 話を聞いた人 岡野八代さん おかの やよ●1967年生まれ。政治学者、同志社大学教授。主にケアの社会的意義・政治的問題を研究。『ケアするのは誰か?|新しい民主主義のかたちへ』(白澤社)を出版。 いまさら聞けない Q & A 政治や選挙にまつわる素朴な疑問を、いまこそ解決したい。選挙のプロ・松田馨さんが丁寧にレクチャー Q1 衆議院議員と参議院議員の違いは何ですか? A1 国会は衆議院・参議院の二院制。衆議院議員の任期は4年、計465人、参議院議員の任期は6年、計245人です。衆議院の任期のほうが短く、また、任期中に衆議院が解散し、総選挙となることもあります。そのため、衆議院は国民の意思を反映しやすいとされ、両院で異なった議決が行われた場合、衆議院の議決が優先されることがあるなど強い権限が認められています(衆議院の優越)。衆議院議員選挙は国の行方を左右する注目度の高い選挙となっているのです。 Q2 小選挙区比例代表並立制って何ですか? A2 小選挙区制は1つの選挙区から1人の議員が選ばれます。ただ、当選者以外の候補者に投票した人々の票は、政治に反映されない「死票」となります。小選挙区制では死票が多くなるという欠点があるため、比例代表制を併用しています。比例代表制では政党に票を投じることができ、その得票数に応じて党ごとに議席が配分されます。小選挙区と比例代表の両方に立候補(重複立候補)した候補は、小選挙区で落選しても比例で復活当選できる可能性があります。定数は小選挙区289人、比例区176人です。 Q3 政党ってそもそも何ですか? A3 同じ政治的な考えを持った人々によって組織される政治団体です。日本には自由民主党、立憲民主党、公明党、日本共産党などさまざまな政党があります。衆議院は465議席あるとお伝えしましたが、多くの議席を獲得した政党が与党として政権を獲得し、政治運営を主導します。なぜなら、法律案などの審議は多数決で採決を行い、過半数が賛成すれば可決となるためです。つまり、衆議院議員選挙では全465議席のうち233以上の過半数の議席を、どの政党が獲得できるかがポイントになります。 Q4 自分の意見と合致する候補者がいません。どうしたらいいですか? A4 恋愛と一緒で完璧なパートナーはいません。つまり、完璧な候補者も政党もないということです。それを前提とした上で、選挙では少しでも自分と意見が近い人、近い政党を選んでみてください。もしくは自分と立場の近しい人に票を入れてみる。たとえば、女性の意見を国政に反映させるために、女性候補者に一票を投じるという考え方もアリだと思います。 Q5 政治家の政策や人となりを知るための情報収集はどうしたらいいですか? A5 テレビや新聞だけでなく、ネットでも情報が得られます。選挙の専門サイト「選挙ドットコム」では、各候補者や政党の情報がまとまっていて、そこでさまざまな政策の賛否や意見を確認できます。また、政策に対する質問に自身の意見を入力すると、あなたの考えに近い政党を教えてくれる候補者マッチングサービスも。各候補者が発信しているTwitterやインスタグラムなどのSNSもぜひチェックしてみてください。 Q6 期日前投票制度は特別な事情がある人しか利用できませんか? A6 誰でも利用できます。仕事だけでなく、旅行や遊びなどで投票に行けない場合も大丈夫なんですよ。また、投票日当日の投票所は特定の場所に限られているのに対して、期日前投票所はショッピングモールや駅構内など、利用しやすい場所にあります。投票期間は公示日の翌日から選挙期日の前日までで、投票所入場券がなくてもOK。期日前投票利用者は増加傾向にあり、投票者の3人に1人以上が期日前に投票をしています。 Q7 投票日前に友達からLINEで「◯◯さんに投票して!」と連絡がありました。これって公職選挙法違反ですか? A7 違反ではありません。公示日から投票日前日までLINEで投票の依頼を呼びかけるのはOK。ただし、電子メールや携帯SMSで呼びかけると違反になります。LINEやSNSを使った選挙運動はOKですが、投票日当日はNG。投票所内での写真撮影は、他の有権者の「投票の秘密の保持」の関係から違反になるおそれがあります。投票所の看板前などは撮影可能ですので「投票に行きました」とSNSに投稿するのは問題ありません。 Q8 外国籍の人も投票できますか? A8 残念ながら、日本国籍を持たない方の参政権は認められていません。今後増えるであろう外国籍の方の声を政治にどう反映させていくか、地方選挙で参政権を認めるべきだという議論もありますが、いまだ実現には至らず。また、外国籍の方は選挙に立候補もできません。ただし、候補者を応援する、投票を呼びかけるなどの選挙運動をすることはできます。 話を聞いた人 松田 馨さん まつだ かおる●選挙プランナーとして地方選挙から国政選挙まで250を超える選挙に携わる。著書『残念な政治家を選ばない技術 「選挙リテラシー」入門』(光文社新書)ほか。 SOURCE:SPUR 2021年11月号「『投票する』ということは」 photography: Masaya Tanaka〈 TRON〉 styling: Tomoko Kojima model: Yo illustration: Emi Ozaki edit: Mariko Uramoto >>そのアクションが未来を変える「投票する」ということは PART 2
  • ウェブエクラ週間(8/30~9/5)ランキングトップ10にランクインした人気記事をピックアップ。いつものカジュアルからきれいめな着こなしまで、一気に格上げしてくれる「今、売れているスニーカー」とは? 第1位 【ファッション】【2021晩夏のプチプラファッション】アラフィー華組ブロガーの『ユニクロ・GU』高見えコーデ特集ユニクロ・GUのプチプラアイテムを素敵に着こなすアラフィーおしゃれ読者モデル華組の「プチプラ高見えコーデ」を一挙、大公開!ワンピースコーデやパンツ、スカートコーデ、デニムコーデなど。アイテム選びから着回しテクまで、おしゃれなトータルコーディネートをぜひ参考にして。▶記事はこちら   第2位 【髪型】【50代おすすめヘアカタログ】今、むしろ短いほうがフェミニンな印象に!最新ショートヘアスタイル髪質もボリュームも、顔の印象も変化するアラフィー世代にとって、ヘアスタイルは常に悩みの種。ちょっとした工夫をするだけで印象がガラッと変化するから、悩みどころをカバーしつつ実は簡単にしゃれ見せがかなう!女性らしさを醸し出す理想のショートスタイルを公開。▶記事はこちら   第3位 【50代のお悩み】閉経を迎えるアラフィー世代へ【閉経したら何が変わるの?総まとめ】閉経を迎えるアラフィー世代。もうそろそろかも……という人は、“閉経したら、何が変わるの?”と不安でいっぱいなのでは。そこで、閉経経験者のリアルな声とともに、閉経の基礎知識から、前後に起こる不調の対策などまで詳しく解説!▶記事はこちら   第4位 【韓流ドラマ】【韓流ドラマ】見始めたら止まらない!絶対ハマる「人気ドラマ8選」エクラの美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ。韓流ドラマブームを牽引している「愛の不時着」や「梨泰院クラス」のほかにも、緊迫感溢れるサスペンスや社会現象まで巻き起こした話題作など幅広く人気作品をご紹介。各ドラマの見どころや人気の秘密に迫ります!▶記事はこちら   第5位 【髪型】【50代のボブヘア】扱いやすさと華やかさ、両方に効く人気のボブヘアカタログ髪質もボリュームも、顔の印象も変化するアラフィー世代にとって、ヘアスタイルは常に悩みの種。ちょっとした工夫をするだけで印象がガラッと変化するから、悩みどころをカバーしつつ実は簡単にしゃれ見せがかなう!扱いやすさと華やかさ、両方に効くボブスタイル。似合う髪型が必ず見つかる!▶記事はこちら   第6位 【ファッション】【2021晩夏のプチプラファッション】アラフィー華組ブロガーの『ZARA』高見えコーデ特集ZARAのプチプラアイテムを素敵に着こなすアラフィーおしゃれ読者モデル華組の「プチプラ高見えコーデ」を一挙、大公開!ワンピースコーデやパンツ、スカートコーデ、スニーカーコーデなど。アイテム選びから着回しテクまで、おしゃれなトータルコーディネートをぜひ参考にして。▶記事はこちら   第7位 【50代のお悩み】【アラフィー夫婦の本音】知りたい!人には聞けない”夫婦の実態”「愛してる」と伝えてる? お財布や寝室は夫婦で一緒? 生まれ変わっても今の夫と結婚したい……?友人にはあまり突っ込んで聞けない夫婦の実態。でも、知りたい! 私たち夫婦の関係はフツー?超仲よし? アラフィー女性317人に聞いた「今どきアラフィーのカップル事情」を大公開!▶記事はこちら   第8位 【ファッション】50代が買うべきスニーカーは?大人を素敵にみせる「売れているスニーカー」毎日でも履きたい!アラフィーのおしゃれに欠かせないスニーカー。カジュアルからフェミニンスタイルまでアラフィーのおしゃれに寄り添うスニーカー&履きこなしコーデ特集。大人おしゃれの鮮度を上げてくれるスニーカーが見つかるはず!▶記事はこちら   第9位 【50代のお悩み】【50代 足がつる原因】 寝てるあいだに「足がつる!」こむら返りの対処法と予防法“足がつって目が覚めてしまう”という就寝中のトラブルに悩まされているアラフィー女性が、近年多い様子。足がつってしまう、その原因は? 気になる「足がつる」のあれこれに、整形外科医の出沢先生がお答えします。 ▶記事はこちら   第10位 【50代のお悩み】アラフィーに見てほしい「韓国ドラマ」6選を山崎敦子さんがセレクト!【韓国エンタメ新聞】昨年あたりから再燃する韓流ブーム。「特に、最近の韓国ドラマはかなりの傑作揃い」と、ライターの山崎敦子さん。そこで今回は、山崎さんがおすすめする、アラフィーにこそ見てほしい韓国ドラマ6作品をご紹介!▶記事はこちら  ※集計期間:2021年8月30日(月)〜2021年9月5日(日)
  • © Hold-Up Films & Productions/ Lilies Films / Arte France Cinéma 2011『燃ゆる女の肖像』(2020)のセリーヌ・シアマ監督の長編第二作、『トムボーイ』(2011)を見ました。そうだ、セリーヌ・シアマはアニメの名作『ぼくの名前はズッキーニ』(2016)の脚本家だったんだ、と思いだすような一作。子どもの心の揺れを繊細に、笑いと痛みをもって描ける人なんですよね。特にジェンダー・アイデンティティの揺らぎをこんなにみずみずしく映せるなんて。それでちょっと思い出したのが、最近見ていたアメリカのドラマ『レポーター・ガール』です。ドラマの主人公は9歳のヒルデ(ブルックリン・プリンス)。彼女が小さな町で起きた昔の誘拐事件を追ううち、次々秘密が明らかになる……というストーリーです。ヒルデはネットで新聞を主宰するジャーナリスト。私が好きになったのはその仲間の一人、スプーン(デリック・マッケイブ)です。スプーンはおしゃれでファッション好きで、毎回何を着てくるか楽しみなキャラクター。スプーンはスカートも履くのですが、一度だけお母さんが「うちの息子が……」と言う場面がある。でもそれ以外では「He」とも「She」とも呼ばれず、スプーンはスプーンとしていつも可愛く登場するのです。マッチョな上級生にからかわれて、地味で男の子っぽい服になる回もあるものの、すぐにヒルデたちに励まされ、スプーンは素敵なファッショニスタに戻ります。子ども時代は「自分」がまだ規定されていないのに、他の人間の言葉で決めつけられて、悩んだり、傷ついたりする時代。ジェンダー・アイデンティティにおいては特にそれがはっきりしている。世の中はほとんどバイナリだから。映画『トムボーイ』はそこにフォーカスします。新しい町に引っ越してきた10歳の主人公は、家では「ロール」だけれど、男の子と思われたまま一緒に遊び始める仲間には「ミカエル」と名乗る。その二重生活が続くと、見ている側はハラハラしたり、笑ったり。でもやっぱり思ったのは、いま変わらないといけないのは大人なんだな、ということ。「トムボーイ」=おてんば、という言葉にしたって、元々女の子はおとなしいもの、みたいな決めつけがありますよね。毎日が可能性、みたいな子どもたちを男女で分けて、限定しているのは大人だと実感しました。「おてんば」だけじゃなく、「おしゃま」とか「わんぱく」みたいな言葉も考え直さないといけないかも。どちらも、子どもたちの感性に大人が教わるような作品です。 『トムボーイ』監督・脚本/セリーヌ・シアマ出演/ゾエ・エラン、マロン・レヴァナ、ジャンウ・ディソン9月17日、新宿シネマカリテ他にてロードショー 『レポーター・ガール』クリエイター/ダナ・フォックス、ダラ・レスニック出演/ブルックリン・プリンス、ジム・スタージェス、デリック・マッケイブApple TVにて独占配信中
関連キーワード

RECOMMEND