株式投資初心者が絶対知っておくべき心得って?【アラフォーのためのマネーのお話 #6】

Marisol ONLINE
版権:robert_s/Shutterstock.com
版権:robert_s/Shutterstock.com

「株式投資」から得られる利益は3つあります。

【1】配当金

株式投資にはリスクがつきものですが、配当金を目的とする投資方法は、中長期的に安定した収入を得ることが可能なストレスの少ない投資方法といえます。

配当金とは、企業の利益の一部を株主に分配するもの。配当の額は、企業ごと、年度ごとに異なります。配当金を目的に株式投資を行う場合は、その企業が配当を出しているのかどうか、どのくらいの配当を出しているのかを確認する必要があります。

ちなみに、日経平均株価の平均利回り予想は、2.26%(2019年1月15日時点)です。メガバンクの定期預金の利息が0.01%ということを考えると、かなりの高利回りです。でも、せっかく配当目的で投資を行うのであれば、平均よりも高い高配当の銘柄を購入したいところです。

高利回りの企業を探す方法としては、日経新聞などに予想配当利回りランキングが掲載されています。そのほか証券会社やヤフーファイナンスのサイトなどでも配当金の利回りを検索できますので、参考にしてみてください。

ただし、配当利回りを見る時に、一点気をつけていただきたいことがあります。業績悪化で株価が値下がりした会社は、配当利回りが高くなることがある、ということです。少しムズカシイお話になりますが、配当利回りは、「1株当たりの配当金÷現在の株価」で計算します。たとえば、株価が1,000円から500円に下がった企業があるとします。1株当たりの配当金が10円だった場合、株価が1,000円の時には配当利回りは1%ですが、株価が500円に下落した場合は2%になります。

高い配当利回りにばかり目を奪われたばかりに、業績の悪化している企業の株を買ってしまったというのでは、悲しすぎます。配当利回りをチェックする時には、業績のチェックも一緒にしていただきたいと思います。

配当を出す時期は、通常年に1~2回。企業の本決算と中間決算の時です。日本の企業は、3月31日決算という会社が多いので、その場合は本決算3月31日・中間決算9月30日ということになります。配当をもらえるのは、この決算日の3営業日前(土日を除く)に株を保有している人です。今年の3月31日が本決算の企業の場合は、31日が日曜日なので、3月26日に株を持っている人(この日に買った人でも大丈夫)に配当が払われることになります。ちなみに、翌日27日に株を売却したとしても、配当は受け取れます。

【2】株主優待

株主優待とは、配当金と別に、企業から株主へ現金ではなく自社製品や割引券などをプレゼントすることです。企業によっては、自社製品やサービス以外に商品券を株主優待としてくれるところもあります。配当金と合わせて考えると、かなり高い利回りを実現できる銘柄もありますので、株主優待も上手に利用したいところです。

株主優待は利回りが10%以上というような銘柄もありますが、配当金と異なり、高配当にこだわらず、好きな企業の株を持ちつつ、お気に入りの商品やサービスを受けるということもできます。株主優待の利回りや優待内容もネットで検索することができます。

株主優待を受けられるのは、基本的に決算日の3営業日前(土日を除く)に株を保有している人です。配当金と同様、今年の3月31日が本決算の企業の場合は、31日が日曜日なので、3月26日に株を持っている人が対象となります。ただし、配当と違い企業によっては「1年以上株を保有している人」「300株以上保有している人」というように、保有期間などの条件がつけられている場合がありますので、気をつけてください。

また、株主優待が人気の企業などでは、権利確定日(株主優待が受けられる日)に向けて株価が高くなることもあります。株主優待を目的にする場合は、時期に余裕を持った購入がおすすめです。

【3】値上がり利益(キャピタルゲイン)

株式投資で大きな利益を得ることができるのが、値上がり利益「キャピタルゲイン」です。リーマンショックが起きた2008年の12月の日経平均の終値は8,859円。それから10年たった2018年12月の日経平均の終値は20,014円。10年間で株価は約2.26倍になっています。こういった数字を見ると、「やはり株式投資にチャレンジしてみたい!」と思う人もいるでしょう。

しかし、株式投資にはリスクがつきものです。かといって、リスクを怖がっていては何も始まらないというのも、また事実。そこで、株式投資で大失敗しないための心得を最後にご紹介したいと思います。

【株式投資で大失敗しないための心得】

1. まずは少ない金額からスタートする

2. 株の値動きをチェックする

3. 今後のシナリオを考えておく

株式投資にリスクがあるとはいえ、投資した資金以上に損をするということはありません。まずは「この金額の範囲なら万が一損をしてもよい」と思える範囲から始めてみましょう。おすすめなのは、まずは「10万円」からのスタート。ここから始めて、株の値動きをチェックする習慣をつけていきましょう。

株の値動きは、持っている株式だけではなく、できれば日経平均株価もチェックしてみてください。市場のトレンドがわかるようになると、投資自体も面白くなってきますし、今後の投資判断にも役立ちます。

また、今後の投資シナリオを考えておくこともおすすめです。初心者の方におすすめなのは、配当や株主優待を受けながら、中長期的に相場の勉強をしつつ株を保有するという方法です。

短期で利益を出そうと売買を繰り返すと、そのたびに売買手数料や税金が発生してしまいます。とはいえ、売買する場合に備えて、いくらの利益が出たら売るのか、どこまで損が出たら売るのか(リスクを許容できるのか)ということをある程度考えておくことも必要です。

ここまで全6回おつき合いいただき、ありがとうございます。「資産運用してみたいけど、何も知識がないとコワくて始められない」。そういう方は多いのではないでしょうか。実際私がそうでした。でも、それでは最初の一歩はいつまでも踏み出せません。まずは、始めてみることでわかることや知るべきことが見えてくるのです。この連載をきっかけに、資産運用の最初の一歩を踏み出していただけるとうれしいです。

  • 板倉 京(いたくら みやこ)
  • 株式会社WTパートナーズ http://wt-partners.jp/
    代表取締役 税理士 IFA

    成城大学卒業。保険会社・コンサルティング会社、税理士法人等で個人の資産や相続の業務に携わる。資産運用コンサルティングを行う(株)WTパートナーズ代表。NHK『あさイチ』などのテレビ出演や全国での講演、書籍の執筆などの活動も多数。著書に『相続はつらいよ「モメるケース」から考える相続対策』(知恵の森文庫)、『夫に読ませたくない相続の教科書』(文春新書)がある。
※本稿は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資の実行を推奨するものではありません。実際に投資を行う際には、対象商品その他のリスク等について十分にご検討の上、ご自身の判断と責任において行ってください。
関連記事
  • パートナーとお金の話はしにくい空気がある!? アラフォー夫婦(カップル)のお金事情に迫ります 版権: Tom Wang/Shutterstock.com働くアラフォー女性320人にアンケート。 デートの支払いをどうするか、一緒に暮らすなら生活費や大きな出費をどう出し合うか、パートナーとお金の問題はついてまわるもの。夫婦(カップル)のお金事情を調査! 他の画像を見る「お金に関して、主導権は自分とパートナーのどちらにありますか?」という質問に「自分」と回答したのは38%、「パートナー」が15%、「どちらも」が47%でした。パートナーに主導権があるカップルは少ないですね。「パートナーの年収を知っていますか?」と聞いてみると「YES」が43%、「NO」が57%でした。半分以上の人がパートナーの年収を知らないことにちょっと驚き。やっぱりお金のことは聞き出しにくい!?「お金のことで喧嘩をしたことがありますか?」という質問に「YES」と回答したのは20%、「NO」と回答したのは80%でした。喧嘩をしたことがあるカップルは少なめでしたが、喧嘩をした理由について聞いてみると「結婚当初はお小遣い制だったのに、なし崩しになってしまったので」(うしゃさん) 「相談もなくパートナーが不動産を購入したため」(Modaさん) 「パートナーのボーナスの使い道に納得がいかなくて」(とまとさん) 「年収格差(パートナーは自分の4倍)があるのに割り勘なので」(かぽねーぜさん) 「ブランド品を買いすぎだと注意されて」(キッカさん) 「化粧品の値段が高いと文句を言われたから」(たまねぎさん)高額な買い物を勝手にされたら怒るのも当然! でも反対に使いすぎについて注意されて喧嘩になってしまった人も……。高額なものを購入する際は事前にパートナーに相談した方がよさそう。「お金のことでパートナーと別れの危機を迎えたことがありますか?」という質問に「YES」と回答したのは15%、「NO」が85%でした。味覚やセンスの違いはある程度受け入れられても、お金の価値観の違いは深刻な問題に発展する可能大。なかには「お金の価値観の違いで離婚しました」という人もいました。<資産運用> 「パートナーと資産運用について勉強中」(くぷさん)。資産運用に興味がある人が多数いましたが、「方法がわからない」(やまこさん)、「マネープランを立てて資産運用しようとプロを探して話を聞いたものの、何も実行できていない」(りくママさん)という声も。<お金に関してお互いに干渉しない> 「お金についてはそれぞれが管理することにしていて、お互いに干渉しない」(mikiさん) お互い納得の上でお金の管理はそれぞれがする。こういう方法もありますね。<お金についてパートナーと話し合う> ボーナスの使い道、子供にかかる費用、老後までに貯めておくお金について、きちんと話し合っているカップルも。 「ボーナスがでた日の夜に、パートナーと家で飲みながらボーナスの使い道について話し合う」(とこさん)。「大学資金など将来子供にかかる費用について相談中」(Hさん)。「老後までにいくら貯めないといけないかパートナーと話し合っている」(マロンさん)。パートナーとお金の話はしにくい空気がありますが、パートナーと末永く幸せに過ごすためには、普段からお金について話し合って協力し合うのがベストかもしれませんね。あなたにオススメの記事:アラフォー女性たちは「キャッシュレス化」の波に乗れている? 本音と実態を調査アラフォー女性の浮気のボーダーラインは「手をつなぐ」が1位! 浮気をされたらどうする?アラフォー女性の2人に1人がセックスレス。セックスレスになってしまった理由は?アラフォー女性の美意識は高い? ヘアサロンに行く頻度や費用を調査!文/Yuko Aoki
  • アラフォーの関心事「マネー」について、初心者にわかりやすく女性税理士が解説!第5回は、40代から考えておくべき相続のお話。後編は自分の相続対策についてです。版権:Burdun Iliya/Shutterstock.com「相続対策なんて年配の人がすること。自分たちにはまだ必要ない」そう思っているアラフォー女性は多いと思いますが、実はそうとも言い切れないのです。人は年齢の順に亡くなるとは限りません。働き盛りの40代や50代の人が突如亡くなってしまう、ということだってあるのです。働き盛りの夫(妻)を失った家族は大変です。一家の大黒柱を失うことになれば、金銭的に困ることはもちろんですが、それ以外にもアラフォー世代の相続にはあっと驚く落とし穴があるのです。 あっと驚く落とし穴が待っているのはこんな人 ・未成年の子供がいるご夫婦 ・子供がいないご夫婦未成年の子供がいる人は要注意!? 未成年の子供がいる家庭の相続は大変です。もちろん、これからお金のかかる未成年の子が残されるだけでも大変なことです。でも、大変なのはそれでだけではありません。未成年の子がいる場合の相続の思わぬ落とし穴は2つです。 1. 夫(妻)の遺産の分け方を自由に決められない! 2. 払わなくてもよい相続税を払うことになるかも! 職場で倒れて帰らぬ人となってしまったAさん(男性・48歳)。Aさんは、会社員の奥様(45歳)と中学3年生(15歳)の息子さんの3人家族でした。Aさんは大企業勤務で年収もそれなりに高かったため、自宅マンションと金融資産、退職金や生命保険など、全部合わせると1億円程度の財産を持っていました。 相続人が2人いる場合、4200万円以上の財産があると相続税の対象となります(以下表参照)。■相続税の課税ライン※法定相続人が1人増えるごとに600万円ずつ増えますAさんも相続税の課税対象者です。いくら1億円もの財産があるといっても、この先の生活を思うと余計な相続税なんて払いたくはありません。でも、若くして亡くなったAさんは相続税対策もしていませんでした。「いったいいくらの相続税がかかるのかしら・・・・・・」Aさんの奥さんは途方に暮れてしまいました。 でも実は、相続税を払わなくていい方法はあるのです。Aさんの財産をすべて奥様が相続すれば、相続税はかかりません。奥様が相続した場合、1億6000万円まで(それを超えても法定相続分まで)は相続税がかからないのです。でも、残念ことに未成年の子供がいる場合、そう簡単にはいかないのです。 未成年の相続人がいる場合、家族だけで勝手に財産の分け方を決めること(遺産分割協議といいます)ができません。未成年者は遺産分割協議ができないと、法律で決められているのです。未成年者が遺産分割協議をするためには、代わりに協議をしてくれる「特別代理人」が必要になるのですが、これがなかなかヤッカイなのです。 まず誰に「特別代理人」を頼むのか、という問題。「特別代理人」は、遺産分割協議の相手となる親や兄弟はなれません。財産の話を聞かせてもいい誰かを、探して頼まなければならないのです。しかも「特別代理人」になるためには、家庭裁判所に認めてもらわなければなりません。この時、家庭裁判所は遺産の分け方もチェックするのですが、「妻に全部相続させる」という内容では、OKを出してくれないのです。 ちょっとムズカシイ話になりますが、「特別代理人」を立てるのは子供の権利を守るためです。「妻が全部相続」すると、子供が何ももらえないことになります。もし、鬼のような母親で、財産を独り占めして子供が路頭に迷ったら……子供の権利は守れませんよね。というわけで、裁判所としては原則「法定相続分通り分ける」ことを要求してくるのです。 Aさんの場合、奥様が全財産を相続すれば相続税はかかりませんが、家庭裁判所の要求通り、法定相続分(妻と子で2分の1ずつ)で分けると、約335万円(※)もの相続税がかかってしまいます(※配偶者控除と未成年者控除を勘案後)。 普通の感覚だと「相続税がかからないほうが家族の財産が減らないのだから、子供を守ることになるのでは?」とも思うのですが、その主張が認められる可能性は少ないのです。もし、相続税がかからなかったとしても、家族の話し合いに「特別代理人」なる人を参加させる、しかもそれを「家庭裁判所」に申請するなどという仰々しいことをするなんて、愉快なものではありませんよね。 では、こんな事態を避けるためにはどうしたらいいのか。解決策は、遺言書です。遺言書で財産の分け方を決めておけば、遺産分割協議は必要ありませんから、「特別代理人」もいりません。かく言う私もAさんと同様中学3年生の息子がいますので、夫とそれぞれ遺言書を書いています。 遺言書といっても、難しく考える必要はありません。少なくとも子供が未成年のうちは、夫婦でそれぞれ「自分の全財産は妻(夫)○○に相続させる」と書き残しておけばいいのです(日付と印鑑を忘れずに!)。未成年のお子さんのいる方はぜひ、遺言書を書いておいていただきたいと思います。子供のいない人も要注意!? ここまで読んで「うちは子供がいないから大丈夫」と思った方、ちょっと待ってください。子供のいないご夫婦の相続も要注意です。「夫が死んだら財産は全部妻のものになるんでしょ」などと思ってはいませんよね。 「夫が亡くなったので、銀行に手続きに行ったら、夫の兄弟と財産の分け方について決めないと預金が動かせないと言われました。夫の兄弟とは何年も会ってなかったのに、どうすればいいんでしょう」。Bさん(女性・47歳)は困っています。 子どもがいないご夫婦の場合、夫が亡くなると妻だけでなく、夫の親もしくは兄弟姉妹も法定相続人になります。Bさんの夫の両親は他界していますが、兄と弟がいるとのこと。このように、相続人が複数いる場合、誰がもらうかはっきりしていない預金口座は凍結されて動かせなくなってしまいます。Bさんは夫の兄弟と遺産をどう分けるかを話し合わなくては、お金を引き出すこともできないというわけです。「これから夫の兄弟に電話をして、遺産分けの話をしましょうと言い出さなければならないなんて、気が重いです。もし、夫の財産をよこせなんて言われたらどうしよう」 ご主人の財産をめぐって、その両親や兄弟姉妹と遺産争いになることも決して珍しくありません。夫の兄弟の弁護士から「財産を相続する権利がある」と連絡を受けたというのもよく聞く話です。 こんな時も、遺言書が有効です。「妻に全財産を相続させる」という遺言書があれば、B子さんは、単独で銀行からお金を引き出すこともできたし、義理の兄弟と遺産分割の話し合いなんて恐ろしいことをする必要もなかったのです。AさんもBさんの夫も、自分がこんなに早く亡くなるなんて思ってもいなかったかもしれません。でも、相続はいつ誰に起こるかわからないのです。 「まだ若いからいいよ!」などと言わず、転ばぬ先の杖と思って、遺言書作りにチャレンジしていただきたいと思います。▶︎次回は1月23日(水)更新予定 板倉 京(いたくら みやこ) 株式会社WTパートナーズ http://wt-partners.jp/代表取締役 税理士 IFA成城大学卒業。保険会社・コンサルティング会社、税理士法人等で個人の資産や相続の業務に携わる。資産運用コンサルティングを行う(株)WTパートナーズ代表。NHK『あさイチ』などのテレビ出演や全国での講演、書籍の執筆などの活動も多数。
関連キーワード

RECOMMEND