伝説の歌姫マリア・カラスの人生と美声をドキュメンタリー映画で

HAPPY PLUS ONE
映画『私は、マリア・カラス』
映画『私は、マリア・カラス』
“天才”や“不世出”という言葉を欲しいままにしてきた伝説の歌姫、マリア・カラス。彼女が残した未完の自叙伝やプライベートの手紙、貴重なお宝映像、写真によって構成されたドキュメンタリー映画『私は、マリア・カラス』が、12月21日(金)より公開に。この映画では、世界中の人々を虜にしたカラスの歌声だけではなく、怒涛の人生を駆け抜けたカラスの心の叫びまで綴られている。

マリア・カラスの映画といえば、生前の彼女と親交があったフランコ・ゼフィレッリ監督が撮った『永遠のマリア・カラス』(2002年公開)が記憶に新しいところ。実際、同作でカラスを演じたファニー・アルダンが、本作の朗読パートを手掛けている。アルダンが演じたカラスはすばらしい存在感を見せていたし、アルダン自身もフランソワ・トリュフォーのミューズとしても知られるフランスの大女優。でも、今回スクリーンに降臨した本物のマリア・カラスは、それとは別のオーラをまとっていて、ただただ圧倒されてしまう。

彼女の歌声は、まさに“奇跡”と評されるにふさわしいもので、エキゾティックな美貌と圧倒的なカリスマ性にもうなる。その一方で、あり余る才能を手にした者ゆえの葛藤や、つまずいた時のバッシングも“倍返し”されていたことがわかる。「マリアとして生きるには、カラスの名前が重すぎる」と言うマリアの肉声が実に痛々しい。

栄光と挫折と共に、当時ゴシップ誌を賑わせた恋のスキャンダルも振り返っていく。28歳年上の男性との結婚や、ギリシャの大富豪オナシスとのロマンス、夫との離婚、さらにオナシスがケネディ大統領の未亡人ジャクリーンと結婚したことを新聞で知るという衝撃に、彼との復縁に至るまでの道のり……。まさに、彼女が演じたオペラのヒロインさながらに激動の人生だったことがうかがえる。

「幸せな家庭を築いて子どもを産みたかった」と告白した1970年のインタビュー映像を見ると、なんとも胸が苦しくなる。天才歌手として生を受けたカラスには許されなかった生き方だとは思うが、そういう葛藤やもがき、苦悩をも歌に変えてきたからこそ、カラスは唯一無二のディーバになれたのかもしれない。ぜひ、音響の良いスクリーンで、魂を震わせる美声を堪能して。

『私は、マリア・カラス
監督/トム・ヴォルフ
朗読/ファニー・アルダン
2018年12月21日(金)、TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマ他にて順次全国ロードショー
https://gaga.ne.jp/maria-callas/
(c)2017 Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema

Text/山崎伸子
関連記事
  • アーティスト・伊藤千晃さん愛用の香水は?大人の女性として、ひとつは持っていたい香水。でも、お気に入りの香りを見つけるのって本当に難しいですよね。 素敵なあの人は、お気に入りの香りをどう見つけて、何を使っているのか気になっちゃう!! そこで、今話題の素敵女子が使っているアイテムを調査。今回は、可憐な歌声と美貌で私たちを魅了するアーティスト・伊藤千晃さんに、愛用アイテムを教えていただきました!自分と一体化する香りを味方につける「アーティストであり、ひとりの女性としての“伊藤千晃”を形づくろうと奮闘していた20代。周りに素敵な香りをまとった尊敬する大人が増えたことがきっかけで、私も自分だけの香りを探し始めるように。そうして出合ったのが、今でも憧れている女性が当時つけていた『グタール』のプチシェリー。もう6年ほど愛用している香りで、おまじないをかけるように、ステージ前の緊張を解きほぐしてくれたり、物ごとをスムーズに進めるための集中力を引き出してくれるんです。ファンイベントの時には、みなさんの記憶に残る特別な一日になってほしいという願いをこめて、この香りを必ず会場にふっています。『グッチ』は、30代になってから出合えた運命の一本。今の私の気分を表してくれていて、気持ちを高めたい時に頼りになるんです。これから何年のつきあいになるか楽しみ」トップス¥17000・パンツ¥27000/CASA FLINE表参道店(CASA FLINE) ヘアバンド¥5800/カリテ スケープ コレド日本橋店(ラ メゾン ド リリス) ピアス¥6500/フィルム(ダブルスタンダードクロージング(右)『グッチ』 グッチ ブルーム オードパルファム(左)『グタール』 プチシェリー オードパルファム「直感で恋におちた2本。香水選びで迷った時は、信頼できる友達にアドバイスをもらうのがおすすめです」。(右)ジャスミンや南インド産の希少な花などを調合した華やかな香り。グッチ ブルーム オードパルファム50㎖¥10800・(左)洋梨×ピーチが、爽やかさと愛らしさを兼ね備えた香りを実現。グタール プチシェリー オードパルファム100㎖¥25300/ブルーベル・ジャパン「左手首にワンプッシュして右手首にこすり合わせます。次にその両手首を首にこすり合わせるのが基本のつけ方。華やかに香らせたい時は、上空に2プッシュして体全体にまとう贅沢使いをします」[PROFILE]1987年1月10日生まれ。アーティスト。ビューティ雑誌『MAQUIA』のMAQUIA ONLINEにて連載を持つほど美容フリーク。ソロ初のミニアルバム『New Beginnings』が発売中『王様のブランチ』出演中・渡辺早織さん愛用の香水は?大人の女性として、ひとつは持っていたい香水。でも、お気に入りの香りを見つけるのって本当に難しいですよね。 素敵なあの人は、お気に入りの香りをどう見つけて、何を使っているのか気になっちゃう!!  そこで、今話題の素敵女子が使っているアイテムを調査。今回は、『王様のブランチ』出演中の渡辺早織さん愛用アイテムをチェック♡直感で選び取る、自分だけの香り「香り選びは、直感を大切にしています。人との出会いに似ているかも。一度会ったら忘れないような、ひとひねりきいた香りが好きで、『ジョー マローン ロンドン』はまさにそんな一本。お仕事では、第一線で活躍する方にインタビューをさせていただく機会が多く、毎回緊張感があります。でも、この香りがあれば、いつもの自分を思い出させてくれる! プライベートでももちろん、香りは日々を彩ってくれるもの。お酒に合わせて食事を楽しむのが好きで、おすし屋さんでは、時計をはずすように香りもはずすのがエチケット。フレンチなどのドレスアップする食事シーンでは、エディブルフラワーのようにほんのり香らせるのが私の掟です」ブラウス¥34000/クチューリフ アトレ恵比寿店(STAIR) リング¥28000/UTS PR(ReFaire) パンツ/スタイリスト私物『ジョー マローン ロンドン』イングリッシュペアー&フリージア「最初につけた時は爽やか、時間がたつと優しい甘さを感じる。メロディのように美しく変化する香りに惚れました。クセがないけど、忘れられない香りです」。洋梨とフリージアをベースにした一本。ジョー マローン ロンドン イングリッシュ ペアー & フリージア コロン100㎖¥16000/ジョー マローン ロンドン「『王様のブランチ』の取材時は、衣装のはっぴの裏にひと噴き(笑)! 普段は、手首にワンプッシュしてこすり合わせたら、それを首もとにもこすり合わせるのがスタンダードなつけ方。ドレッシーな装いの時は、デコルテにもワンプッシュ」[PROFILE]1988年1月19日生まれ。タレント、女優。『王様のブランチ』(TBS系)の人気コーナー「買い物の達人」で案内人を務める。唎酒師の資格を持ち、香りには敏感美容家・岡本静香さんが愛する香りとは?人生のステージとともに変化する香り「華やかで女性らしい香りを好む私が、香水の発表会で出合って以来、愛用している『フエギア 1833』のンブクルジャー。デザートのような甘さを持つ香りなので、初めは少しためらったほど。でも、ひと噴きしてから少しずつ私の肌の香りと合わさった途端、甘さが和らいで理想の香りに変化! 今では主力選手のフレグランスです。その日の気分、着たい服、抱いてもらいたい印象、さらには結婚や妊娠などのステージの変化で好きと思える香りは変化するもの。だから、私はいくつかの香りをストック。ライフイベントが多いモア世代だからこそ初めから“自分の香り”を一本にしぼらず、自分の嗅覚に素直に、柔軟に香りを楽しむのも手ですよ」ワンピース¥13800/ティアンエクート イヤリング¥7000・ネックレス¥22000・リング(右手)¥12000・(左手)¥14000/ete インナー/スタイリスト私物(右)『ルラボ』ROSE 31 (左)『フエギア 1833』ンブクルジャー(右)「数年前、ユニセックスなローズの香りを求めていた時に出合いました。やわらかいファッションやメイクの時に重宝しています」。N.Y.発のブランド。ローズに、クミンやシダーなどウッディでスパイシーな香りを配合。ルラボ オードパルファム ROSE 31 50㎖¥21600/LELABO 代官山店 (左)パッションフルーツやレモン、パナマミルクをキーノートにした一本。フエギア 1833 ンブクルジャー100㎖¥28700〜(価格変動の可能性あり)/FUEGUIA 1833 東京本店「腕にちょうどワンプッシュ出したら、指先に香りを取って、デコルテまわりなどになじませるようにつけます。ドレスアップする場面では、足を組み替えた時に香るよう、太ももにつけることも」[PROFILE]美容家。主宰するオンラインメディア『biishiki』は、誰もがきれいになれる美容動画やコラムが大好評。常備している香水は、15本ほどモデル 武智志穂さんが愛する香りは、『ジバンシイ』オーデ ジバンシイ オーデトワレ毎日に花を添えてくれる香りの作法「私にとって香水は、なにげない毎日に特別な気持ちにさせてくれる魔法みたいなアイテム。香水が好きな母親の影響で子供の頃から憧れがあって、初めて自分だけの香水を手に入れたのは、中学2年生の頃。それから年齢を重ね、いろんな香りを試すようになり出合ったのが、『ジバンシイ』のこの一本でした。シーンを選ばずつけられる好感度の高さと、少しスパイシーでありきたりではないバランスのよさが気に入っています。家を出る時に、首にひと噴き。片手首にワンプッシュしてこすり合わせたら、両手首を耳の後ろにこすりつけるのが基本。TPOに合わせてつけ方や量を調整することも、大人の女性の仲間入りができた気にさせてくれるんです」ジバンシイ オーデ ジバンシイ オーデトワレ100㎖¥10000/パルファム ジバンシイプロトラベラー® 櫻井千尋さんが愛する香りは、『シャネル』チャンス オー タンドゥルオードゥ トワレットと『バイレード』LA SELECTION NOMADEどこにいても気分を高めてくれる香りを携帯「プロトラベラー®として、世界中旅をすることが仕事の私。旅先にも持っていきやすいミニサイズで愛用しているのが、『バイレード』のトラベル用フレグランスセットです。男女問わず好まれる香りがそろったブランドで、なかでもブランシュという軽やかな香りがいちばんのお気に入り。仕事、プライベート問わず愛用しています。香りを楽しみながらビーチなどでゆっくり過ごしたい時は、ジプシーウォーターという香りが活躍。夜出かける時には、香り立ちの華やかな『シャネル』のチャンスをまといます。香り選びは、服のコーディネート選びに似ていて、その日の気分やシチュエーションに合わせてチョイスするのがセオリー。普段は、動いた時だけに香るように手首と耳の裏に。休日や夜に出かける時は、胸もとと足首にもつけ足して気分を上げています」(左)シャネル チャンス オー タンドゥル オードゥ トワレット50㎖¥9000/シャネル (右)バイレード トラベルケース¥15000・LA SELECTION NOMADE(12㎖× 3 本セット)¥12550/エドストローム オフィスファッションディレクター 野尻美穂さんの愛する香りは、『ジョー マローン ロンドン』ブラックベリー & ベイ コロンファッションの一部としての香り「香水への興味が目覚めたのは高校生の時。当時は、友達と買った香水をアトマイザーで分けあって、いろんな香りにトライしていました。そんな私がたどり着いたのが、『ジョー マローン ロンドン』。よく人からほめられるブラックベリー & ベイと、肌なじみがよく、自分の香りとして毎日つけているバジル & ネロリを5年ほど前から愛用しています。香水選びで、香りの次に重要視しているのが、ボトル。私にとって香水は、ファッションの一部です。デザインが素敵であれば、多少奮発してでも手もとに置いておきたくて購入してしまうほど。香りだけでなく、デザインもいいとときめきが増すんです。この一本は、シンプルだけど高級感のある佇まいに心奪われました」ジョー マローン ロンドン ブラックベリー & ベイ コロン100㎖¥16000/ジョー マローン ロンドン取材・文/海渡理恵 撮影/嶌原佑矢(伊藤さん、渡辺さん) 岡本 俊(岡本さん) 恩田はるみ(P131、P134〜135) ヘア&メイク/吉㟢沙世子(io/伊藤さん) 北原 果(渡辺さん、岡本さん) スタイリスト/JURIKA.A(伊藤さん) 平田雅子(渡辺さん) 梅林裕美(岡本さん) 福永いずみ(P131、P134〜135製品)
  • ©2016 – KG Productions – France 3 Cinéma『ジュリアン』は、一部の方には観るのを勧められません。それはドメスティック・バイオレンスやストーカーなどの被害に遭ったことがある人。そのときの恐怖が鮮明にフラッシュバックするんじゃないか、と思うからです。それほどこの映画は、母親と子どもが追い詰められるさまをリアルに、克明に描いている。11歳のジュリアン(トーマス・ジオリア)は離婚した母と暮らしながら、共同親権を持つ父と隔週で面会しています。ただ、母もジュリアンもそれについては多くを語らない。語りたがらない。でも、彼らの表情はいつも緊張しています。母の携帯番号や住所を知らせまいとするジュリアンと、執拗に聞きだそうとする父親のやり取りは、見ているだけで息が詰まるほど。それはどんどんエスカレートしていきます。一方、父親がなぜそうなったのか、家族の背景もわかってくる。とはいえそこに共感はありません。いくら彼が「愛されたい」と思っていても、男性の所有欲や暴力は何にも繋がらない、というメッセージがあるから。さらに、怯えた人が相手のちょっとした動きやまわりの音に敏感になっているのを強調するため、さまざまな音が大きく聞こえてくる演出も冴えています。ジュリアンの耳には、車のインジケーターの音や時計の音がカチコチと鳴り、不安を煽る。そしてその「音」は、衝撃のクライマックスへとつながっていくのです。こんなふうに社会派のドラマを個人的視点から体験すると、いろんなことがわかってくる。私は子どもの頃感じた家族のなかの緊張感を思いだしました。あの感覚はある意味、自分が大人になったときの視点を形成していると思うのですが、ジュリアンのような子どもにとって、そのトラウマはいかに大きなことか。ある短期間についてのドラマながら、何世代にもわたる影響を考えさせられました。 『ジュリアン』監督/グザヴィエ ・ルグラン出演/レア・ドリュッケール、ドゥニ・メノーシェ、トーマス・ジオリア1月25日、シネマカリテ・ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開
  • こんにちは◎ いつもこのブログを読んで応援して下さっている皆さまにご報告があり、ブログを書いています。 なんと、子どもを授かりました。 結婚から6年、わたしたちのところにもコウノトリがやって来ました。 実はわたし、長年病気を患っていました。 ずっと薬を飲まないといけない生活を送っていて ようやく一昨年の頭にそんな生活から解放されました。 それもあり、結婚は長くても子どもを作ることは避けざるを得ませんでした。 それと同時に、子どもを産んで育てることに漠然とした大きな不安があり 子どもがいない人生も…と夫婦で話し合ったこともありました。 結果的に、自然に身を委ねるかたちで夫婦の間で合意に至りました。 今でも幸せかどうかに、子どものいるいないは関係ないと思っています。 わたしたちならどんな形でもきっと幸せだよね、と思っていました。 正直……… 子どもがいたら、あれもできないこれもできなくなってしまうと、そんなことを考えてしまうことも多々ありました…。 そして、そんなことを思わないといけないことがとても悲しく、わたしって最低だなとか、女性として生きるのは辛いなとも思っていました。 でも、子どもができたと分かったとき 自分でも想像できなかったくらい喜び そして 今まで不安に思っていたことはすべて どうでもよくなりました。 出来ないことなんて別にどうでもいい。 それよりこの子と何しよう、一緒にあれができるこれができる、と思うようになりました。 ほんとうに不思議です。 わたしの目標は、どんな形でも ひとりの人として輝いていられることです。 結婚してもしなくても 子どもがいてもいなくても それぞれの形でずっと輝いていけるはずだと思っています。 (以前、BAILA編集部の方とお話ししたときも 同じことをおっしゃっていました…◎) 幸せかどうかは人と比べるものではないと思うのです。 今回子どもを授かったことで、出来なくなったこともきっとたくさんあると思うのですが それはそれで わたしはわたしなりに 輝いていけるように日々精進していこうと思います◎ 短いマタニティ生活 そしてこれから迎えるであろう 長い母親としての人生 めいっぱい楽しんでいきたいです! お腹が大きくなってきて 着られるお洋服もだいぶ限られてきましたが そんな今だからできるコーデも 載せていけたらなと思っています♩スカートにペタンコ靴が定番になってきました◎Instagramにもこのことを投稿したら 似たような境遇の方々からDMを頂いて 励みになったと言っていただけたのがとても嬉しかったです。 (泣きながらDM読みました・・・) 長くなってしまいましたが 同じような思いをしている女性がいるんじゃないかと思い、本音で語りたく、このようなブログを書かせて頂きました。 これからも応援して頂けると嬉しいです◎ 最後まで読んで頂きありがとうございました!InstagramWEARスーパーバイラーズ 渡邉美可のブログ
  • シブくてダンディ、大人の男の色気がビシバシ伝わってくる俳優・奥田瑛二さん。主演映画『洗骨(せんこつ)』が間もなく公開される。切れ者、クセモノ、クールで情け容赦ない男のイメージが、本作では大逆転。優柔不断で意志薄弱、グズグズのダメ男っぷりに、びっくり!ベテラン俳優の奥田さんは何を思って今、この作品にチャレンジしたのか?撮影/萩庭桂太 取材・文/岡本麻佑奥田瑛二さんProfileおくだ えいじ●1950年3月18日、愛知県生まれ。1979年『もっとしなやかに もっとしたたかに』で映画初主演。ドラマ『宮本武蔵』(84年/NHK)や『男女7人夏物語』(86年/TBS)で人気を博し、映画『海と毒薬』(86年)で毎日映画コンクール男優主演賞、『千利休・本覚坊遺文』(89年)で日本アカデミー主演男優賞、『棒の哀しみ』(94年)でキネマ旬報、ブルーリボン賞など9つの主演男優賞を受賞。近年の出演作に『64-ロクヨン-』(2016年)、『散り椿』(18年)など。また映画監督としても才能を発揮、『長い散歩』(06年)をはじめ、高く評価されている。妻はエッセイストでコメンテーターの安藤和津、長女は映画監督の安藤桃子、次女は女優の安藤サクラ。演じたのは“ゴミみたいな”男「キャッチコピーを自分で考えました。“笑って泣いて、笑って泣いて、やがて微笑む”、そういう映画です」奥田さんが演じる主人公・新城信綱は、沖縄の離島・粟国島(あぐにじま)に住む中年男。昼間から部屋のカーテンを閉め切り、酒浸りの毎日だ。4年前に妻を亡くし、以来、立ち直れない。うつろな目、無精ひげ、だらんだらんに伸びきった下着姿。こんな情け無い、ふがいない、だらしない姿の奥田さんを観るのは、初めてかも。「台本を読んでみたら、これはもう、やるべきだと思いました。僕はデビュー以来、文芸作品に出演したり、アウトロー役が続いたり。ここ7~8年は年齢のせいか、企業のトップとか検事正とか新聞社の局長クラスとかね。怒り混じりの台詞を機関銃みたいにまくしたてる、まあちょっと知的な重鎮さんというか狡猾なヒールというか、そういう役が多かった。クセのある悪役は面白いけど、ちょっと疲れていたんです。もっと人間ぽい、清濁合わせ飲むような役がどうして来ないんだろうと思っていた。そこに、この話が来たわけです。よし、昔の自分に戻って取り組もう、今の奥田瑛二を全部剥ぎ取って、役者としての奥田瑛二をもう一回、構築しようと思ってね」撮影現場では、「空気の抜けた風船みたいな、落ちていたらただのゴミみたいな」男になりきって、その場に“いる”ことに専念したという。妻を喪ってから4年後、その男は『洗骨』という儀式を迎える。〈風葬で弔った妻の骨を洗い、改めて埋葬する〉と聞くと、怖じ気づいてしまうけど、粟国島の大自然を背景に物語が展開していくと、その行為は至極当たり前のことのように思えてくる。「そうなんです。なにしろ天国に一番近い島、ですからね。自分が死んだ後、この海、この空、この夕陽、この満天の星空の下に置いてもらったら、自由に天空を飛び回れる魂になれるなって、その場に立った時に思いました。粟国島は本当に何も無い、美しい島なんです。あの世とこの世が共存していて、この島の人たちは幸せだと思う。僕もいつかここに、と、本当に心から思いましたよ」シリアスな内容ながら、作品全体を流れる空気はあたたかく、ゆるゆると流れる沖縄時間の中に、ユーモアがにじみ出す。ガレッジ・セールのゴリこと照屋年之監督は〈洗骨〉という風習の中に、人の優しさと生命への讃歌を見ているのかもしれない。それにしても。妻に先立たれた男は、こんなにも打ちひしがれ、立ち直ることができないものなのか。「ねえ、このところ身近に亡くなる方も多いから、僕も考えてしまってね。もしそんなことになったら、僕は妻に幸せを感じさせてあげることはできたのか、苦労ばかりかけてしまったのではないかと、自責の念に打ちのめされるのがわかっているから、辛いです。だからってわけじゃないけど、僕は7年くらい前から、妻にはちゃんと日常的に『ありがとう』を言うことにしたんです。最初のうち妻は『なによそれ、冗談めかして!』とか『心にもないことを』とか鼻で嗤っていたけど、めげずに続けたらだんだん様子が変わってきた。僕の『ありがとう』をちゃんと受け止めてくれて、そこから夫婦として向き合っているという実感が生まれましたね。『ありがとう』だけじゃなく、何かむっとすることがあっても飲み込んで穏やかに接したり、優しくなれる自分を作っておくと、お互いに気持ちが良い。それは、ちょっと高級なキャッチボールですよね。夫婦っていくつになっても、いつからでも、そういうふうに歩み寄ることができる。僕はそう思います」役者の原点に立ち戻った奥田瑛二が演じる、情け無い中年男と家族の物語。“泣いて笑って、最後にほっこり”する作品だ。(自身の健康について語ったインタビュー後編は、明日17日9時に公開します)『洗骨(せんこつ)』沖縄の離島・粟国島に住む新城家の母・恵美子が亡くなった。4年後、島から離れていた息子・剛(筒井道隆)と娘・優子(水崎綾女)は、ひとり家に残る父・信綱(奥田瑛二)のもとに戻ってくる。島には風葬で弔った4年後、その骨を海水や酒で洗い、再度埋葬する風習が残っているのだ。信綱は今も妻の死を受けいれられず、酒浸りの毎日。剛はなぜか家族を連れてこず、優子は出産間近の臨月だが、父親の名前を明かそうとしない。バラバラの気持ちを抱えたまま、母の洗骨の日が近づいてくる・・・・。1月18日(金)より沖縄先行公開、2月9日(土)より丸の内TOEIほか全国公開。配給:ファントム・フィルム監督・脚本:照屋年之出演:奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女、大島蓉子、坂本あきらほか。(c)  『洗骨』 製作委員会公式サイト:http://senkotsu-movie.com/
  • シブくてダンディ、大人の男の色気がビシバシ伝わってくる俳優・奥田瑛二さん。主演映画『洗骨(せんこつ)』が間もなく公開される。切れ者、クセモノ、クールで情け容赦ない男のイメージが、本作では大逆転。優柔不断で意志薄弱、グズグズのダメ男っぷりに、びっくり!ベテラン俳優の奥田さんは何を思って今、この作品にチャレンジしたのか?撮影/萩庭桂太 取材・文/岡本麻佑奥田瑛二さんProfileおくだ えいじ●1950年3月18日、愛知県生まれ。1979年『もっとしなやかに もっとしたたかに』で映画初主演。ドラマ『宮本武蔵』(84年/NHK)や『男女7人夏物語』(86年/TBS)で人気を博し、映画『海と毒薬』(86年)で毎日映画コンクール男優主演賞、『千利休・本覚坊遺文』(89年)で日本アカデミー主演男優賞、『棒の哀しみ』(94年)でキネマ旬報、ブルーリボン賞など9つの主演男優賞を受賞。近年の出演作に『64-ロクヨン-』(2016年)、『散り椿』(18年)など。また映画監督としても才能を発揮、『長い散歩』(06年)をはじめ、高く評価されている。妻はエッセイストでコメンテーターの安藤和津、長女は映画監督の安藤桃子、次女は女優の安藤サクラ。演じたのは“ゴミみたいな”男「キャッチコピーを自分で考えました。“笑って泣いて、笑って泣いて、やがて微笑む”、そういう映画です」奥田さんが演じる主人公・新城信綱は、沖縄の離島・粟国島(あぐにじま)に住む中年男。昼間から部屋のカーテンを閉め切り、酒浸りの毎日だ。4年前に妻を亡くし、以来、立ち直れない。うつろな目、無精ひげ、だらんだらんに伸びきった下着姿。こんな情け無い、ふがいない、だらしない姿の奥田さんを観るのは、初めてかも。「台本を読んでみたら、これはもう、やるべきだと思いました。僕はデビュー以来、文芸作品に出演したり、アウトロー役が続いたり。ここ7~8年は年齢のせいか、企業のトップとか検事正とか新聞社の局長クラスとかね。怒り混じりの台詞を機関銃みたいにまくしたてる、まあちょっと知的な重鎮さんというか狡猾なヒールというか、そういう役が多かった。クセのある悪役は面白いけど、ちょっと疲れていたんです。もっと人間ぽい、清濁合わせ飲むような役がどうして来ないんだろうと思っていた。そこに、この話が来たわけです。よし、昔の自分に戻って取り組もう、今の奥田瑛二を全部剥ぎ取って、役者としての奥田瑛二をもう一回、構築しようと思ってね」撮影現場では、「空気の抜けた風船みたいな、落ちていたらただのゴミみたいな」男になりきって、その場に“いる”ことに専念したという。妻を喪ってから4年後、その男は『洗骨』という儀式を迎える。〈風葬で弔った妻の骨を洗い、改めて埋葬する〉と聞くと、怖じ気づいてしまうけど、粟国島の大自然を背景に物語が展開していくと、その行為は至極当たり前のことのように思えてくる。「そうなんです。なにしろ天国に一番近い島、ですからね。自分が死んだ後、この海、この空、この夕陽、この満天の星空の下に置いてもらったら、自由に天空を飛び回れる魂になれるなって、その場に立った時に思いました。粟国島は本当に何も無い、美しい島なんです。あの世とこの世が共存していて、この島の人たちは幸せだと思う。僕もいつかここに、と、本当に心から思いましたよ」シリアスな内容ながら、作品全体を流れる空気はあたたかく、ゆるゆると流れる沖縄時間の中に、ユーモアがにじみ出す。ガレッジ・セールのゴリこと照屋年之監督は〈洗骨〉という風習の中に、人の優しさと生命への讃歌を見ているのかもしれない。それにしても。妻に先立たれた男は、こんなにも打ちひしがれ、立ち直ることができないものなのか。「ねえ、このところ身近に亡くなる方も多いから、僕も考えてしまってね。もしそんなことになったら、僕は妻に幸せを感じさせてあげることはできたのか、苦労ばかりかけてしまったのではないかと、自責の念に打ちのめされるのがわかっているから、辛いです。だからってわけじゃないけど、僕は7年くらい前から、妻にはちゃんと日常的に『ありがとう』を言うことにしたんです。最初のうち妻は『なによそれ、冗談めかして!』とか『心にもないことを』とか鼻で嗤っていたけど、めげずに続けたらだんだん様子が変わってきた。僕の『ありがとう』をちゃんと受け止めてくれて、そこから夫婦として向き合っているという実感が生まれましたね。『ありがとう』だけじゃなく、何かむっとすることがあっても飲み込んで穏やかに接したり、優しくなれる自分を作っておくと、お互いに気持ちが良い。それは、ちょっと高級なキャッチボールですよね。夫婦っていくつになっても、いつからでも、そういうふうに歩み寄ることができる。僕はそう思います」役者の原点に立ち戻った奥田瑛二が演じる、情け無い中年男と家族の物語。“泣いて笑って、最後にほっこり”する作品だ。(自身の健康について語ったインタビュー後編は、明日17日9時に公開します)『洗骨(せんこつ)』沖縄の離島・粟国島に住む新城家の母・恵美子が亡くなった。4年後、島から離れていた息子・剛(筒井道隆)と娘・優子(水崎綾女)は、ひとり家に残る父・信綱(奥田瑛二)のもとに戻ってくる。島には風葬で弔った4年後、その骨を海水や酒で洗い、再度埋葬する風習が残っているのだ。信綱は今も妻の死を受けいれられず、酒浸りの毎日。剛はなぜか家族を連れてこず、優子は出産間近の臨月だが、父親の名前を明かそうとしない。バラバラの気持ちを抱えたまま、母の洗骨の日が近づいてくる・・・・。1月18日(金)より沖縄先行公開、2月9日(土)より丸の内TOEIほか全国公開。配給:ファントム・フィルム監督・脚本:照屋年之出演:奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女、大島蓉子、坂本あきらほか。(c)  『洗骨』 製作委員会公式サイト:http://senkotsu-movie.com/
  • 王侯貴族や多くのセレブリティから愛されてきた、イタリア屈指のハイジュエラー「ダミアーニ」から、“ベル エポック”の新作ブライダルリングが登場。 “ベル エポック”は、20世紀初頭の古き良き時代をイメージし、ヨーロッパが華やかなりし頃の可能性と創造性、革新的な気運に満ちあふれたコレクションだ。その時代に誕生した映画のフィルムをデザインソースに、幾何学的でモダンなデザインが話題となり、ブランドを代表するスターコレクションとなった。 スクエアフォルムが連なる洗練のデザイン。アームの太さも同じで重ね付けしやすい。上から:「ベル エポック」エンゲージメントリング〈PT、ダイヤモンド0.3ct〜〉¥598,000〜、フルエタニティリング〈WG、ダイヤモンド〉¥254,300〜 *2019年1月30 (水)発売予定 この度発売される新作ブライダルリングは、エンゲージメントリングとフルエタニティリング、ハーフエタニティリングのラインナップ。重ね付けすることで、まるで“ベル エポック”のシネマミューズのような、ミステリアスでエレガントな女性らしさを演出してくれる。レイヤードしやすい華奢なアームながら、ダイヤモンドひとつひとつが華やかに輝く存在感も魅力のひとつ。宝石鑑定のエキスパートが選び抜き、緻密な手作業で仕上げることで、職人の芸術的技巧が感じられる作品となっている。 新作発売のタイミングに合わせてダミアーニ 伊勢丹新宿店では、2019年1月30日(水)〜2月26日(火)の期間限定で、ブライダルフェアを開催。スペシャルな特典もあるというからぜひ訪れてみたい。ハイジュエラー待望の新作ブライダルリングを、いち早くチェックして。 ブライダルフェア期間:2019年1月30日(水)〜2月26日(火)場所:ダミアーニ 伊勢丹新宿店 ダミアーニ 伊勢丹新宿店http://www.damiani.com/03-6457-8154
  • さらりと乾いた肌触りで夏に活躍するリネン。ユニフォームライクな硬いシルエットを選べば、冬のスタイルにモードな裏切りが生まれる。 ジャケット¥52,000・パンツ¥34,000/オーラリー 03−6427−7141  コート¥75,000/ビームス ジャパン(ウーア) ブラウス¥59,000・ベルト¥38,000/CLIFF co.ltd.(FUMIKA_UCHIDA) メガネ¥52,000/グローブスペックスエージェント(アーレム) フェザーピアス¥9,000/シティショップ(セレフィーナ) バッグ¥185,000/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ) ソックス¥2,300/ビショップ(カプリコーンモヘア ソックス) 靴¥89,000〈伊勢丹新宿店限定〉/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ) リネン特有のネップ感を出すために、シルクを5%だけ加えたセットアップを軸に。ウールのメンズライクなコートと色のトーンを合わせれば、異素材も自然となじむ。ジャケット¥25,000・パンツ¥25,000/グラストンベリーショールーム(ヤーモ) 03−6231−0213 タートルネック¥44,000/シティショップ(ウォーク オブ シェイム) ソックス¥1,500/OTOE 靴¥37,000/オン トーキョー ショールーム(メゾンエウレカ) 黄色のセットアップはリネンで気軽なムード。セーラーカラーシャツ¥42,000/トゥジュー代官山ストア(トゥジュー) 03−5939−8090 ミリタリーのセーラーシャツが着想源。厚手のリネンにワッシャー加工を施した、ラフな仕上がり。スリーブレスジャケット¥74,000/ウィリー(プール by クラス) 03−5458−7200 まるでジャケットを裏返しにしたような、インサイドアウトの仕上げ。高度な技術で織り上げた100%リネンサージ素材。スカート¥64,000/ハルミ ショールーム(アキラ ナカ) 03−6433−5395 複雑なドレーピングにクチュール的な感性を込めたデザイン。動きに合わせて大胆に揺れるフリルの分量が絶妙。トップス¥25,000/グラストンベリーショールーム(オネット) 03−6231−0213 サックドレス風のトップスはリネンながら、ブルーの発色のよさに驚かされる。ボタンの開閉で身幅の調節が可能。バッグ〈H26×W51×D22〉¥16,000/オカイユ 03−3403−0627 フランスのヴィンテージリネンクロスを使ったバッグ。縫い合わせの部分をトリミングして四角いフォルムを作り出した。インテリア用としても秀逸。 >商品のお問い合わせ先と電話番号はこちら >>【Seasonless Item_03 "Plastic"】冬なのに、プラスチック
  • 「ナチュラル」「おしゃれ」といったイメージで大人気のロクシタン。でも実は強い使命感を持って活動していたのです。 この度来日を果たした創設者に熱い思いを詳しく伺いました。ロクシタン創設者 オリビエ・ボーサンさん23歳の時、古い蒸留機で抽出したエッセンシャルオイルを使ったシャンプーを地元南仏のマルシェで販売したのを機に、1976年にロクシタンを創設。現在もブランドの発展に尽力している。マキア編集長 湯田桂子2004年にマキアを立ち上げた創刊メンバーのひとり。マキアの合言葉は“、願望実現ビューティ”!世界中で人気のシアシリーズ「ウィメンズゴールド」と呼ばれるとてもリッチなシアバターは、西アフリカ・ブルキナファソのシアの木の実から抽出。ロクシタンのシアシリーズでは、シアの実の優れた保温成分に着目し、さまざまな製品が展関されている。その代表が、世界中でロングセラーを誇るシアバターとハンドクリーム。ベタつかないのに高い保湿力で肌を守る。限定で登場する香りつきも話題に。(右から)シア ハンドクリーム 150mL ¥3400、シアバター 150mL ¥4900/ロクシタンジャポンロクシタンが掲げる コミットメント湯田 ロクシタンのルーツであるプロヴァンスで取材をさせていただいて以来、お会いするのは約2年ぶりです。今回は、ロクシタンの“これから”を伝えるための来日ですね。オリビエ 湯田さんのことはとてもよく覚えていますよ。あの時は、ロクシタンを設立したきっかけをお話ししましたね。湯田 環境汚染への危惧、そしてプロヴァンスでの雇用問題を解決するために、当時廃れていた精油づくりを復活させ、プロヴァンスに新たな産業を興そうと創業されたと聞き、深い感銘を受けました。その創業時の思いが、今年のホリデーコレクションに込められたメッセージ、4つの“コミットメント(約束)”につながっているのですね。オリビエ そう。1つは「使う人の未来へ、つくる人の希望へ」。創業時から一貫してこだわり続けているシアバター原産国の女性たちの自立支援やフェアトレード、さらにプロヴァンスの農家との協働など、生産に関わるすべての人の幸せを常に考えてロクシタン製品は生産されていることを皆さんにお伝えしたくて。ロクシタンの顔ともいえる「シア」シリーズのシアバターはその最たるもので、西アフリカ・ブルキナファソの女性たちと直接取引をすることで、自立支援だけでなく、国の発展にもつながってきています。湯田 「シア」シリーズのパッケージはとても素敵ですね。オリビエ あのパッケージは、消費者に向けて、というより、生産者へのオマージュとして私がデザインしたものです。丸い缶は、アフリカの市場で見た缶詰がヒントです。一度開けた後、何度もリサイクルして使っているブリキ缶こそ、“永続性”を象徴するものだと思いました。チューブは絵の具の容器です。湯田 あっ、本当ですね!オリビエ 2つめは、「プロヴァンスの美しい暮らしをあなたに」。ロクシタンの製品はプロヴァンスの植物だけでできているわけではありませんが、製品を使うことで、自然の恵みの素晴らしさを多くの人々に感じてもらいたいと思っています。湯田 プロヴァンスの美しい自然や豊かなライフスタイルは、私も訪れた際に感激し、目に焼き付いています。ロクシタン製品にはそんな情景までこめられているのですね。オリビエ そして3つめが「すべての人にこの世界を見る喜びを」。五感に訴えかけるコスメティックを作るブランドとして、目の不自由な人々でも自らの意志で製品を選べるよう、約25年前からほとんどすべての製品に点字表示を行っています。また、視覚障がいを防ぐプログラムを創設、2020年までに世界中の1000万人に支援を届けます。4つめは「美しい自然に学び、大地を育む」。自然環境保護と植物の多様性維持は、ロクシタンが創設以来掲げ続けているミッションの1つ。その環境保護活動のシンボルがイベントでテーマとしたバルーン(気球)です。バルーンは地球のように丸く、同時にバルーンから見た地球は本当に美しい。そして、風に身を任せながらゆったりと進んでいく動きは、この美しい地球を守らなければいけないという気づきを与えてくれるでしょう。湯田 42年もの間一貫して変わることのない地球、そして自然への敬意が製品に込められているのですね。コスメを通して地球の 恵みを分かち合えるようにオリビエ 小林一茶の俳句に『蝶とぶや此世に望みないやうに』と詠まれている作品があるのですが、蝶が舞うのは希望のある世界であってほしい。地球の自然環境を守り、美しい希望を持って次の世代につなげていく。これがロクシタンの歴史であり、ストーリーなのです。湯田 ロクシタンの製品には、そんなオリビエさんの人生観や世界観が集約されているのですね。オリビエ 決して自分の考えだけで製品ができているわけではありません。ロクシタンには私と同じ思い、ビジョンを描いている人たちが集まっています。そんな彼らの手によって素晴らしい製品が生み出されています。私はあくまでもそのきっかけを作った最初の人間というだけ。この世はもっとエコであるべきだし、エコでなくてはいけない。この世界で本物を生み出す生産者の人としてこれからもメッセージを発信していきたいと思います。湯田 ロクシタン製品を通して地球の恵みを分かち合う。だからこそ、この地球を守らなければいけない。前回のプロヴァンスでのインタビューでも、そして今回も、オリビエさんのその思い、そしてロクシタンの使命を日本の皆さんにしっかりと伝えていかなくては、と本気で思いました。ありがとうございました。ビューティケア以上の ブランドの価値を2年前と変わらぬ、魅力的で温かな人柄はそのままに、今回は「ロクシタンの約束」を携えての来日とあって、ウイットに富む言葉から、シリアスさや危機感が伝わってきました。製品を使うことで、私たちも美しい自然に敬意を払い、女性の自立に貢献でき、次世代のために何ができるか考えることができる。本物だけが残っていくこの時代、ビューティ以上の価値をくれるブランドこそ、真に価値あるブランドなのだ、ということを改めて思った取材でした。ロクシタンの公式サイトを見る>>MAQUIA2月号撮影/土佐麻理子 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 構成/湯田桂子(MAQUIA)【MAQUIA2月号☆好評発売中】
関連キーワード

RECOMMEND